春になると美味しい「新じゃがいも」がスーパーに並びます。
新じゃがいもはじゃがいもとまた違う美味しさでたまりませんよね。
そんな新じゃがいもの正確な旬はいつなのでしょう?
そもそも、じゃがいもと新じゃがいもの違いは何?
新じゃがいもは「じゃがいものニュータイプ」だったりして・・・。
そんな旬の新じゃがいもについて気になったことをまとめてみました。
新じゃがいもの旬
新じゃがいもの旬は春~初夏。
特に3~6月初めの時期に多く出回ります。
たしかに、春先になるとスーパーに普通のじゃがいもと新じゃがが並んで置かれていますね。
一方、いわゆる普通のじゃがいもはスーパーで1年中、ほぼ同じ値段で販売されています。
普通のじゃがいもに対して旬と言う言葉はあまり使われませんよね。
わたしもじゃがいもは通年野菜というイメージがあります。
そして、ここで1つ疑問が。
- 1年中売られる普通のじゃがいも
- 春先が旬の新じゃがいも
この2つの違いとは何なのでしょう?
じゃがいもと新じゃがいもの違い
じゃがいもと新じゃがいもの違いは出荷前に貯蔵するか・貯蔵しないかです。
じゃがいもって「貯蔵」しているの?
じゃがいもの貯蔵とは、あまり聞き慣れないですよね。
そこで、まずはじゃがいもの栽培~収穫について説明します。
じゃがいもの栽培~収穫について
土壌を選ばないので、日本各地で栽培されているじゃがいも。
南北に長い日本は地域によって気候の差が激しいという特徴があります。
北海道と沖縄では同じ季節でも気温が20度以上違いますよね。
そのため、同じじゃがいもの栽培でも栽培~収穫時期がさまざまです。
北海道と九州を例に挙げると、
- 北海道:春に苗を植え、晩夏~秋の初めに収穫
- 九州:冬に苗を植え、春~夏の初めに収穫
となります。
植え付けから4カ月ほどで収穫できるなんて便利な野菜ですね。
このように、地域によって収穫時期が違うじゃがいもは旬がない通年野菜です。
そのうち貯蔵されずに収穫後すぐ出荷されるじゃがいもを新じゃがいもと呼びます。
- 九州の早採れ:3月~
- 北海道の早採れ:~6月
だから新じゃがいもの旬は3~6月頃と長めなんだね。
そして残りのじゃがいもは貯蔵されます。
なぜ、じゃがいもには新じゃがいものように貯蔵されないものと、貯蔵されるものがあるのでしょう?
じゃがいもを貯蔵する理由
じゃがいもを貯蔵する理由は「保存するため」と「熟成させるため」という2つがあります。
じゃがいもは保存できる野菜です。
一度に大量に作っても、長期間保存しておくことが可能です。
よって、出荷するまで貯蔵しておけば安定して流通させることができます。
この貯蔵では、寒い環境におき休眠状態にするのが一般的です。
スーパーで売られるじゃがいもでは5℃の低温下で保存します。
このように寒い環境におかれたじゃがいもは芽が伸びず、鮮度を保ったままの状態で保存OK。
さらに、低温下のじゃがいもは熟成が進むというメリットも!
熟成により、じゃがいものデンプンが糖化するので糖分が増えます。
つまり、熟成すればするほどじゃがいもは甘くなります。
このじゃがいもを甘くする糖化は低温であればあるほど進むので、寒い環境で貯蔵されるのです。
<まとめ>じゃがいも・新じゃがいもの違い
じゃがいも・新じゃがいもの違いは出荷までに貯蔵するかしないか。
つまり品種は関係なく、貯蔵しないで出荷すればみんな「新じゃがいも」になります。
- じゃがいも:収穫→貯蔵→出荷!
- 新じゃがいも:収穫→出荷!
じゃがいもを「貯蔵する」メリット・デメリット
じゃがいもを貯蔵するメリット・デメリットをまとめます。
じゃがいもを貯蔵するメリット
じゃがいもを貯蔵するメリットは、
- 甘味が増す
- 長期保存が可能
の2点です。
甘味が増す
じゃがいもは貯蔵することにより甘味が増すというメリットがあります。
前述の「じゃがいもを貯蔵する理由」でも説明しましたね。
低温下での貯蔵によりデンプンが糖化が進みます。
糖分が増えるので甘くなり、また食感もねっとり・しっとりした濃い味わいになります。
長期保存が可能
じゃがいもの貯蔵には長期保存が可能になるメリットもあります。
常温保存が可能なじゃがいも。
風通しが良いところなら余裕で1カ月ほど保存できます。
ただし、長期間放置しておくと芽が出てしまうので、極力早く食べた方が良いでしょう。
じゃがいもを貯蔵するデメリット
じゃがいもは貯蔵するとビタミンCが減少するというデメリットがあります。
時間の経過とともにビタミンCはどんどん失われてしまうのです。
といっても、じゃがいものビタミンCは100gあたり35mg(生の場合)と豊富。
この数値はほうれん草と同量です。
ビタミンとは無縁そうなじゃがいもですが、実はビタミンCが多く含まれる野菜だったのですね。
- 免疫力アップ→カゼ予防
- コラーゲンの生成→美肌効果
- 活性酸素の抑制→抗酸化作用
- ストレス軽減
- メラニンの生成を抑える→シミ予防
じゃがいもを「貯蔵しない」メリット・デメリット
じゃがいもを貯蔵しない、つまり新じゃがいものメリット・デメリットです。
新じゃがいものメリット
貯蔵しないで出荷される新じゃがいものメリットは、
- 皮ごと食べられる
- ビタミンCが豊富
- 芽が出ない
の3点です。
皮ごと食べられる
新じゃがいもは皮ごと食べられるというメリットがあります。
たしかに、新じゃがは皮が薄いから皮ごと調理できるね。
皮ごと調理すれば、皮が栄養の流出を防いでくれるのでより効果的に栄養を摂取できます。
さらに、じゃがいもは皮に近ければ近いほどビタミンCを多く含むという特長も。
煮崩れも防いでくれるので、栄養・料理の2ポイントから皮ごと調理がオススメです。
ビタミンCが豊富
新じゃがいもには貯蔵期間がないため、ビタミンCが失われず豊富に含まれます。
その量は多いもので100gあたり100mgにもなります。
これはレモンのビタミンC含有量とほぼ同じ!
新じゃがいもとレモンのビタミンCの量が同じなんて・・・。
特にじゃがいものビタミンCは加熱に強いという嬉しい特長も!
本来ビタミンCは加熱によって壊れてしまうのですが、じゃがいもは豊富なデンプンに守られるので損なわれずに摂取できるのです。
芽が出ない
新じゃがいもは芽が出ないというメリットもあります。
そもそも、じゃがいもの芽は2~3カ月の休眠期間を経て育っていきます。
したがって、休眠期間=貯蔵期間なく出荷される新じゃがいもには芽が出ません。
じゃがいもの芽には毒性物質・ポテトグリコアルカロイド、通称・ソラニンが含まれます。
このソラニン、摂取すると頭痛や腹痛・嘔吐の症状が現われる危険な物質です。
新じゃがいもならこの危険な毒性物質が含まれないので安心して食べられます。
新じゃがいものデメリット
新じゃがいものデメリットは水分が多く腐りやすいことです。
採れたてのみずみずしさが特長の新じゃがいも。
そのみずみずしさは水分が多いゆえ。
水分が多い分、腐りやすく鮮度も落ちやすいのが注意ポイントです。
新じゃがいもの保存期間の目安は1週間ほど。
長くても買ってきてから10日以内に食べきるようにしましょう。
また、保存は新聞紙にくるみ冷暗所がベスト!
低温&湿度に弱いので、冷蔵庫での保存は逆に腐敗を早める原因になってしまいます。
普通のじゃがいもと同じく常温保存が長持ちのコツですね。
まとめ
- 新じゃがいもの旬は3~6月頃の春。
- じゃがいもと新じゃがいもの違いは、出荷前に貯蔵するかしないか。
- 出荷前に貯蔵するじゃがいもは、甘味が強く長期保存が可能だがビタミンCが減少する。
- 一方、貯蔵しない新じゃがいもは、ビタミンCを摂取しやすく芽が出ないので安全性が高いが腐りやすいというデメリットがあった。
新じゃがいもとじゃがいもの違いを調べたら、出荷前の貯蔵により味や保存のしやすさまで変わることが分かりました。
今の時期しか食べられない新じゃがいも。
皮ごと調理で栄養&美味しさをふんだんに味わいましょう♪