秋の味覚・キノコの中でも飛び抜けて高級な「松茸(まつたけ)」。
なぜ松茸は高級キノコなのでしょうか?
松茸が高価なキノコとなったのはある理由がありました!
さらに、高級キノコ・松茸の栄養価についても深掘りしています。
松茸が高級な2つの理由

松茸が高級な理由は主に2つが挙げられます。
人工栽培ができない
松茸は人工栽培ができないため、大量生産ができず価格が安くならない、という特徴があります。

つまり松茸は天然物しかないんだね!
松茸は生きているアカマツの根に共生するキノコ。
この菌根を作り植物と共生する菌類は『菌根菌(きんこんきん)』と呼ばれます。
菌根菌である松茸はアカマツにリン酸・水分を与え、アカマツは光合成によって蓄えた栄養を松茸に与えます。
このように松茸は、宿主であるアカマツと栄養の交換を行うなど持ちつ持たれつの関係です。
そのため、松茸は生きているアカマツとの共生が不可欠。
現在はまだ松茸の人工的な栽培方法が確立されていません。
したがって、松茸は大量生産が難しく、その希少性から高級品として扱われているのですね。
宿主・アカマツが減っている
松茸はアカマツと共生して育つキノコです。

現状、アカマツとの共生でしか育つことができません。
けれども、そんなアカマツが現在、減少しています。
アカマツ減少の理由は『松食い虫による被害』と『里山の利用方法の変化』という2つが挙げられます。
松食い虫、マツザイセンチュウという虫がアカマツの中で増殖すると、水が吸えなくなり、枯死してしまいます。
また、アカマツは日当たりがよい場所を好む木です。
しかし、近年は里山で落ち葉や枯れ枝を拾う人が減るなど、里山の利用方法が大きく変化。
痩せた土壌を好むアカマツでしたが、土壌が肥沃したため広葉樹など他の木々が生長しやすい環境になってしまいました。
このように里山が放置されることで他の木々が育ち、アカマツの生育に適した環境が奪われているのが現状とのことです。

人工栽培ができないのに、松茸が育つアカマツそのものが減っているのか・・・。
この悪循環により松茸はどんどん高級品として値上がりを続けているとのことです。
けれども、かつて松茸は椎茸よりも安い!と言われるほど親しみやすいキノコだったとのこと。
松茸の出荷量のピークだった1940年代は年間で1万トン以上が収獲されていました。
しかし令和の現在では年間35トンしか穫れていません。
やはり松茸は純粋に生産量が少なすぎて価格が高騰しているのですね。
松茸の栄養価について
希少性が高すぎるあまり高価な松茸。

(ちゃんと食べた経験がないので憶測ですが)味よりも香りを楽しむキノコというイメージですよね。
そんな松茸ですが、栄養価の方はどうなのでしょう?
気になる松茸100gあたりの栄養価を調べてみました。
<基本>松茸100gの栄養価
まずは基本の栄養価です。
| 栄養素 | 100gあたりの含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 32kcal |
| 水分 | 88.3g |
| たんぱく質 | 2.0g |
| 脂質 | 0.6g |
| 炭水化物 | 8.2g |
| 食物繊維 | 4.7g |
この松茸の栄養価のうち、気になる『エネルギー』と『食物繊維』について掘り下げていきます。
松茸のエネルギー:100gあたり32kcal
まず、エネルギー(カロリー)ですが松茸は100gあたり32kcalとなります。
比較対象がないのでこれだけではピンとこないかもしれませんが、100gあたり32kcalというのはキノコの中ではハイカロリーです。
- マッシュルーム 11kcal
- きくらげ 13kcal
- なめこ 15kcal
- 舞茸 16kcal
- ブナシメジ 18kcal
- エリンギ 19kcal
- 椎茸 19kcal
- ヒラタケ 20kcal
- エノキタケ 22kcal
このようにおおむね10~20kcalのキノコの中で松茸は群を抜いてハイカロリーです。
松茸がハイカロリーなのは他のキノコと比べて水分量が少ないためと考えられます。
そんな松茸と他のキノコのカロリー・水分量の違いを比較してみました。
| キノコ | カロリー(kcal) | 水分量(g) |
|---|---|---|
| 松茸 | 32 | 88.3 |
| マッシュルーム | 11 | 93.9 |
| 舞茸 | 15 | 92.4 |
| ブナシメジ | 18 | 90.8 |
| エリンギ | 19 | 90.2 |
| 椎茸 | 19 | 90.3 |
| エノキタケ | 22 | 88.6 |
たしかに、ほとんど差はありませんが松茸の水分量は比較したキノコの中ではもっとも少ない量でした。
松茸のカロリーが高い要因はこれだけではありませんが、水分量の少なさが理由の1つではあるでしょう。
松茸の食物繊維:100gあたり4.7g
松茸の食物繊維量は100gあたり4.7gとなります。
この松茸の食物繊維量を他のキノコと比較してみました。
| キノコ | 食物繊維量(g) |
|---|---|
| 松茸 | 4.7 |
| マッシュルーム | 2.0 |
| 舞茸 | 3.4 |
| ブナシメジ | 3.7 |
| エリンギ | 3.4 |
| 椎茸 | 4.2 |
| エノキタケ | 3.9 |
こうしてみると、松茸はキノコの中でも食物繊維が豊富であることが分かりますね。
この食物繊維が100gあたり4.7gというのは野菜全体をみても多め。
食物繊維が多いイメージがあるゴボウは100gあたり5.7gなので、松茸の4.7gも多い方であることが感覚的に分かるのではないでしょうか?
また、松茸の食物繊維4.7gのうち4.4g、実に94%近くを占めるのは『不溶性食物繊維』です。
不溶性食物繊維は便秘の予防・改善など、排便をスムーズにする効果が期待できます。
キノコ全般に多く含まれるため、不溶性食物繊維は便秘に悩む方にオススメです。
<ビタミン>松茸100gの栄養価
つづいて松茸100gあたりに含まれるビタミンです。
| 栄養素 | 100gあたりの含有量 |
|---|---|
| βカロテン(ビタミンA) | 0μg |
| ビタミンB1 | 0.10mg |
| ビタミンB2 | 0.10mg |
| ビタミンB6 | 0.15mg |
| 葉酸 | 63μg |
| ビタミンC | 0mg |
| ビタミンD | 0.6μg |
| ビタミンE | 0mg |
松茸には
- 代謝をサポートする『ビタミンB群(B1・B2・B6)』
- 造血作用・DNAの生成をサポートする『葉酸』
- 骨や歯の生成に関わる『ビタミンD』
といった栄養素が含まれます。
ただいずれも多く含まれる、というわけではないので他の食品のサポートとしてビタミン摂取に活用するのが望ましいでしょう。
<ミネラル>松茸100gの栄養価
最後に、松茸100gあたりに含まれるミネラルです。
| 栄養素 | 100gあたりの含有量 |
|---|---|
| ナトリウム | 2mg |
| カリウム | 410mg |
| カルシウム | 6mg |
| マグネシウム | 8mg |
| リン | 40mg |
| 鉄 | 1.3mg |
注目すべきは『カリウム』の豊富さ!
100gあたり410mgのカリウムはキノコの中ではやや多い部類ですが、野菜全般の中ではとても豊富です。
カリウムにはナトリウムの排出・むくみの解消などの効果があり、特に夏場は意識的に摂っておきたい栄養素。
ただし、腎臓を患っていてカリウム制限を受けている場合は過剰摂取になるため、一度に多くの松茸を食べることは避けた方がよいかと思います。
また、松茸は100gあたり1.3gもの豊富な『鉄分』を含みます。
鉄分は貧血予防に効果的な栄養素で、特に女性は積極的に摂るべきでしょう。
【まとめ】松茸の栄養価
- 松茸は他のキノコと比べるとカロリーが高く、食物繊維が多め
- ビタミンはB群やDが含まれる
- ミネラルはカリウム・鉄分が豊富
ここまで、松茸の栄養価についてまとめました。
他のキノコたちと比べ、ちょっとカロリーは高めですが、そのぶん栄養価も高めという結果でした。
何だかんだ松茸は栄養が豊富なキノコであることが分かりましたね。
なかなか手に入らない松茸ですが、機会があればぜひとも味わいたいと思います。


