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寒天とはどんな食材?原材料や製法、名前の由来まとめ!固まる・溶ける温度と固まる性質についても

ゼリー作りに使われる凝固剤の1つである「寒天」。

そんな寒天は、そもそも何からできているのでしょうか?

原材料や製法、名前の由来を調べて、まとめました。

さらに、寒天の固まる性質や、固まる・溶ける温度、固まらなくなるNG食材もまとめています。

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そもそも「寒天」とは?

寒天(かんてん)とは煮込んだ海藻を固め、凍結、乾燥させたものです。

寒天ゼリー
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寒天って、そもそも海藻なの!?海藻からどうやって寒天が作られるのだろう・・・。

寒天の原材料

寒天の主原料は「天草(テングサ)」や「オゴノリ」といった紅藻類(こうそうるい)です。

テングサ 天草 寒天の材料 心太の材料
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ちなみに天草はテングサ科の海藻の総称で、マクサやオバクサといった海藻がその種類に分類されます。

オゴノリはオゴノリ・オオオゴノリなど、そのままですね。

寒天の作り方

寒天を作るにはまず天草など原材料となる紅藻類を煮込む必要があります。

海藻を煮込み、出た粘液を濾過して冷まして固めてできたものが「トコロテン」です。

えっ!トコロテンって、あの夏におやつで食べるあの「心太(ところてん)」だよね?

そして、この「トコロテン」を凍結、乾燥させると寒天ができあがります。

そもそも「トコロテン」とは?

トコロテンはテングサなどの紅藻類を煮溶かし、出た粘液を濾過し、自然に放熱して冷まし、固めたものです。

ところてん 寒天 心太
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寒天はさらにここから凍らせて、乾燥させるという工程を必要とします。

寒天の発祥は定かではありませんが「海藻を煮たスープを放置したら固まった!」的な感じで生まれたと考えられています。

まさに偶然の産物です。

寒天やテングサ、トコロテンを指す言葉Agarはマレー語が語源であるため、ルーツはインドネシア周辺ではないか?という説が有力です。

日本では、正倉院の書物に「心太」という記載があることから、奈良時代にはすでにあったとされています。

当時は『こころてん』とも呼ばれていたとのことですが、いつしか『トコロテン』という呼び名のみが残りました。

※漢字をストレートに読んだ『ココロフト』という読み方もあったとのこと。

ここまでのことを踏まえ、トコロテンと寒天の違いをまとめます。

  • トコロテン:紅藻類を煮溶かし冷やし固めたもの
  • 寒天:トコロテンを凍らせ、乾燥させたもの

トコロテンは寒天の製作過程の状態だった、というのは素直に驚きです・・・。

「寒天」の名前の由来

ところてんのWikipediaを確認すると

ところてんを戸外で凍結乾燥させたものが寒天である。

と書かれています。

その言葉が示すとおり、寒天は真冬に戸外へ置いた(捨てた)トコロテンが夜中に凍結し、日中の日差しで水分が溶け、自然と抜けていき乾燥してできたものとされています。

つまり、トコロテンと同じく偶然の産物だったというのが有力な説です。

寒さに晒したトコロテンなので「寒晒し心太」と名付けられ、次第に名前が短くなっていき「寒天」となった、というのが寒天の名前の由来とされています。

また、寒晒し心太の他にも、かつては『こごりところてん』や『氷ところてん』とも呼ばれていたという記述もあります。

名前は微妙に違いますが、いずれも「トコロテンを冷たくする」という点では一致。

従来では寒天誕生の時のように屋外で凍結させ、乾燥させていました。

しかし、大量生産の流れにより、今では工場にて作られるのが一般的です。

寒天が固まる理由・性質とは

寒天はなぜ固まるのか?

寒天ゼリー
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そんな寒天が固まる理由を説明します。

さらに、寒天が固まる&溶ける温度と、寒天が固まりにくくなる食材についてもまとめます。

寒天が固まる理由とは?

寒天でゼリーを作るときは、まず寒天を煮て溶かす過程が必要です。

これは、寒天の分子をほどくため。

鎖のようにギュッと絡まった分子たちをほどき、バラバラになると、海藻はドロドロの液体(粘液質)になります。

この粘液質の溶液を冷やすと、分子がペアになって近づき、二重らせん構造をとります。

ここから、さらに温度を下げていくと二重らせん構造が強く絡まり合うようになり、周りの水分を抱え込みながらネットワーク構造を作ります。

毛糸を編み、生地にしていく感覚が近いでしょうか?

すると水分のプルプルとした柔らかさを保ちつつ、水分が固形としての形も保ちます。

これが寒天ゼリーです。

寒天が固まる・溶ける温度

寒天が固まる温度はおよそ40℃、溶ける温度はおよそ90℃です。

寒天は40℃で固まり始めるため、冷蔵庫に入れず、室温でも固まります。

室温でも固まり、真夏の気温でも溶けないため、食品以外の用途でも使われることがあります。

また、寒天が溶ける温度は90℃以上であるため、寒天ゼリーを作るときは寒天を入れてから一度しっかり沸騰させないと寒天が溶けず、ゼリーは作れません。

牛乳寒天やジュースを使ったゼリーでも、まずは寒天を混ぜた水を沸騰させてから混ぜる必要があります。

寒天が固まらなくなる食材がある?

寒天は酸味が強い食材と煮ると固まらなくなる性質があります。

これは酸が寒天の固まる力、強く絡まり合う力が弱めるため。

  • レモン汁
  • 100%果汁のジュース

などは寒天といっしょに沸騰させると固まる力を邪魔してしまいます。

もし、これら酸味が強い食材で寒天ゼリーを作りたい場合は寒天を混ぜた水を沸騰させてよく溶かし、火を止めてからジュースなどを混ぜましょう。

【まとめ】寒天の基本いろいろ

  • 寒天の原材料は天草やオゴノリなどの紅藻類
  • 紅藻類を煮込み、出てきた粘液を濾過し、冷やし固めたものがトコロテン
  • トコロテンをさらに凍らせ、乾燥させたものが寒天
  • 寒天は40℃で固まりはじめ、90℃以上で溶ける
  • 酸味が強い食材と混ぜると固まらない可能性がある

ここまで寒天の基本をまとめました。

意外と知らないことばかりで面白かったです。

寒天は室温でも固まる、というのは知らなかったのでビックリでした。

つづいては、寒天の栄養価についてまとめます。

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