粒が細かい「ひきわり納豆」と、粒そのままの「粒納豆」。
このひきわり納豆と粒納豆の違いとは何なのでしょうか?
製法や栄養価からひきわり納豆・粒納豆の違いを探っていきます。
ひきわり納豆と粒納豆の違いとは?
粒納豆・ひきわり納豆の最大の違いは皮が付いているか・いないかです。
粒納豆は皮付き、ひきわり納豆は皮なしで販売されています。
2つの製法を比べると、
- 粒納豆
- 大豆を蒸す
- 納豆菌を付着させ発酵させる
- ひきわり納豆
- 大豆を蒸す
- 大豆を挽き割りにする
- 皮のみを取り除く
- 納豆菌を付着させ発酵させる
とひきわり納豆は、大豆を挽き割り(砕く)にし、皮を取り除くという工程が入ります。
この工程の違いにより、ふっくら歯ごたえがある粒納豆と比べ、ひきわり納豆はより柔らかく発酵が進みやすいため旨みが強いというメリットを持ちます。
ひきわり納豆・粒納豆の栄養価を比較
ひきわり納豆と粒納豆の栄養価を比較します。
※ここからの数値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年のうち、
- 粒納豆:豆類/だいず/[納豆類]/糸引き納豆
- 挽き割り納豆:豆類/だいず/[納豆類]/挽きわり納豆
の数値を参考にしています。
<基本>納豆の栄養価
粒・ひきわり納豆1パック・50gあたりの栄養価です。
栄養素 | 粒納豆 | ひきわり納豆 |
---|---|---|
エネルギー | 92kcal | 93kcal |
水分 | 29.8g | 30.5g |
たんぱく質 | 8.3g | 8.3g |
脂質 | 5.0g | 5.0g |
炭水化物 | 6.1g | 5.3g |
食物繊維 | 4.8g | 3.0g |
粒納豆とひきわり納豆の基本の栄養価はほとんど差がありません。
ただし、栄養価のうち炭水化物と食物繊維は差が開いています。
この粒納豆・ひきわり納豆の炭水化物と食物繊維、そして糖質の量を比較してみます。
粒納豆・挽き割り納豆の炭水化物量を比較
粒納豆・ひきわり納豆それぞれ50gあたりに含まれる炭水化物・食物繊維・糖質を比較します。
粒納豆 | ひきわり納豆 | |
---|---|---|
炭水化物 | 6.1g | 5.3g |
食物繊維 | 4.8g | 3.0g |
糖質 | 1.3g | 2.3g |
粒納豆の方が炭水化物と食物繊維の量が多く、糖質量は低めに。
一方で、ひきわり納豆は炭水化物も食物繊維も粒納豆より少ないですが糖質は多いという結果になりました。
また、炭水化物のうち食物繊維が占める割合を比べると、粒納豆は約79%、ひきわり納豆は約52%となりました。
粒納豆はひきわり納豆よりも食物繊維が占める割合が大きいことが分かります。
食物繊維量は粒納豆の方が多いものの、表面積が増え納豆菌が増えやすいのはひきわり納豆です。どちらも同じように腸活の効果が得られるので、好みで自由にえらんでOkでしょう。
<ビタミン>納豆の栄養価
粒・ひきわり納豆1パック・50gあたりのビタミンの数値です。
栄養素 | 粒納豆 | ひきわり納豆 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 0μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.07mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.15mg | 0.18mg |
ナイアシン | 0.3mg | 0.5mg |
ビタミンB6 | 0.12mg | 0.14mg |
葉酸 | 65μg | 55μg |
ビタミンC | 2mg | 0mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 5.1mg | 7.8mg |
ビタミンK | 440μg | 470μg |
ビタミンの数値は粒納豆・ひきわり納豆でほとんど差はありませんでした。
ただ、ビタミンEやビタミンKといった納豆に豊富に含まれる栄養素はひきわり納豆の方が多い傾向にあります。
特に、抗酸化作用が強いビタミンEは1日あたりの摂取目安量は男性は6.5mg、女性は6.0mgなのでひきわり納豆なら1パックで目安量を達成できます。
ビタミンKも1日あたりの摂取目安量は男女ともに150μgと余裕で目安量を達成できますが、こちらは粒納豆でもかわりません。
ひきわり納豆の方がビタミンEが多い理由とは?
ひきわり納豆のビタミンEが粒納豆よりも多い理由は皮が取り除かれているからです。
納豆の原料である大豆はもともとビタミンEが豊富。
その中でも大豆の油脂部分により多くのビタミンEが含まれます。
製造過程で皮が取り除かれるひきわり納豆は、皮がない分油脂部分が増えるためビタミンEの量も増える、ということですね。
ひきわり納豆の方がビタミンKが多い理由とは?
ひきわり納豆の方が粒納豆よりビタミンKが豊富なのは、ビタミンKは大豆の発酵過程で生み出される成分だからです。
ひきわり納豆は大豆が砕かれている分、納豆菌が触れて繁殖する部分が多くなり発酵がより進みます。
発酵が進めば進むほど、発酵によって生み出されるビタミンKもどんどん増加。
ひきわり納豆の方がビタミンKの量が増えることになります。
<ミネラル>納豆の栄養価
粒・ひきわり納豆1パック・50gのミネラルの数値です。
栄養素 | 粒納豆 | ひきわり納豆 |
---|---|---|
ナトリウム | 1mg | 1mg |
カリウム | 350mg | 350mg |
カルシウム | 46mg | 30mg |
マグネシウム | 50mg | 44mg |
リン | 110mg | 130mg |
鉄 | 1.7mg | 1.3mg |
ミネラルの数値は粒納豆・ひきわり納豆でほとんど差がありませんでした。
リンを除き、カルシウム・マグネシウム・鉄は粒納豆の方がやや多いという結果です。
ただ、大きく差が開いているわけではないので、そこまで気にする必要はないでしょう。
【まとめ】ひきわり納豆と粒納豆の違い
- ひきわり納豆は粒を砕き、皮を取り除いてから発酵させた納豆
- 粒納豆と比べ、食物繊維が少なく、糖質は多い
- 粒納豆と比べ、ビタミンE・Kが豊富
ここまでひきわり納豆と粒納豆の違いをまとめました。
納豆の種類についてそこまで思いを馳せたことがなかったのですが、調べてみるとけっこう違いがあり面白かったです。
同じ納豆でも栄養価が異なるため、欲しい効果に合わせてひきわりか粒かを選ぶのもありかもしれませんね。