植物性ミルクの代表と言えば「豆乳」。
そんな豆乳には、大きく『無調整豆乳』と『調製豆乳』という2種類があります。
この無調整豆乳・調製豆乳の違いとは何なのでしょう?
調製豆乳が「調製」しているものとは何なのか、詳しくお伝えします。
無調整豆乳・調製豆乳の「原材料」の違い
無調整豆乳と調製豆乳の原材料の違いを確認します。
ここでは、豆乳メーカーの大手2社である
- キッコーマンソイフーズ株式会社(キッコーマン)
- マルサンアイ株式会社(マルサン)
の豆乳製品からチェックしていきます。
無調整豆乳の原材料
まずはキッコーマンの無調整豆乳・原材料です。
大豆(カナダ又はアメリカ)(分別生産流通管理済み)
キッコーマン豆乳「おいしい無調整豆乳」
大豆オンリーですね。
つづいてマルサンの無調整豆乳となります。
大豆(カナダ)
マルサンアイ株式会社「毎日おいしい 無調整豆乳」
こちらも、原材料は大豆のみ。
無調整豆乳は「大豆のみ」を使用した豆乳でした。
調製豆乳の原材料
つづいては、調製豆乳の原材料です。
まずはキッコーマンの調製豆乳です。
大豆(カナダ又はアメリカ)(分別生産流通管理済み)、砂糖、米油、天日塩/乳酸カルシウム、乳化剤、糊料(カラギナン)、香料
キッコーマン「調製豆乳」
大豆が主原料なのは無調整豆乳と変わりませんが、調製豆乳は調味料が多く入っていることが分かりますね。
調味料のうち、もっとも多く含まれているのが『砂糖』、次いで『米油』『天日塩』そして添加物でした。
つづいて、マルサンの調製豆乳です。
大豆(カナダ)、水あめ、食塩/乳酸カルシウム、トレハロース、安定剤(カラギナン)
マルサンアイ株式会社「調製豆乳」
やはり、マルサンでも調製豆乳には味付けのための調味料が使われていました。
ただ、キッコーマンと違うのは甘みが砂糖ではなく『水あめ』であること。
さらに油は使われず、食塩のみとなっています。
調製豆乳は「調味料で味を調えてある」豆乳でした。
<原材料>無調整豆乳・調製豆乳の違い
無調整豆乳・調製豆乳の違いは調味の有無でした。
大豆のみで味を調えていないのが無調整豆乳。
一方、砂糖や水あめで甘みを、食塩で塩気を、香料などで香りを付けたのが調製豆乳です。
調製豆乳は「味」を調整している豆乳のことだったのですね。
わたし個人の意見として、調製豆乳は飲みやすいので牛乳感覚でゴクゴク飲みたい場合にオススメです。また、無調整豆乳は節分の時に食べる「福豆」をそのまま液体にしたような味わい。「豆」が強いので苦手な方もいると思いますが、飲み慣れると案外そのままでも大丈夫です。
無調整豆乳・調製豆乳に含まれる「大豆量」の違い
無調整豆乳と調製豆乳はJAS規格(日本農林規格)により大豆固形分の割合が異なります。
- 無調整豆乳:8%以上
- 調製豆乳:6%以上
キッコーマンのHPを確認すると↓
無調整豆乳(JAS法でいう「豆乳」)とは、大豆固形分8%以上のもので、大豆と水のみからつくられたシンプルな豆乳です。
FAQ キッコーマン豆乳
調製豆乳とは、大豆固形分6%以上のもので、砂糖や食塩などの調味原料を加えて味わいを調えた豆乳です。【JAS法より】
と記載されていました。
説明にもありますが、この「大豆固形分」とは一体何なのでしょう?
大豆固形分とは
大豆固形分とは、豆乳から水分を取り除いたときに残る大豆の成分割合です。
『大豆固形分8%』と記載がある豆乳なら100mlあたり8gが大豆となります。
上項<無調整豆乳・調製豆乳の原材料>でご紹介した豆乳の大豆固形分を比べると
- キッコーマン『おいしい無調整豆乳』:8%以上
- マルサン『毎日おいしい 無調整豆乳』:9%
- キッコーマン『調製豆乳』:7%
- マルサン『調製豆乳』:7%
と記載されていました。
1~2%ほどの差ですが、たしかに大豆固形分の割合が無調整豆乳・調製豆乳で違いますね。
ちなみに、コーヒー風味などの種類がある、いわゆる「豆乳飲料」は
- 果汁入り:大豆固形分2%以上
- 果汁入り以外:大豆固形分4%以上
と規定されています。
無調整豆乳・調製豆乳は含まれる大豆の量(割合)が違いました。
無調整豆乳・調製豆乳の「栄養価」の違い
無調整豆乳・調製豆乳の栄養価の違いです。
農林水産省の数値ですので実際の製品とは数値が異なります。ご了承ください。
- 無調整豆乳:豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳
- 調製豆乳:豆類/だいず/[その他]/豆乳/調整豆乳
<基本>の栄養価を比較
まずは基本の栄養価を比べました。
栄養素 | 無調整豆乳 | 調製豆乳 |
---|---|---|
エネルギー | 44kcal | 63kcal |
水分 | 90.8g | 87.9g |
たんぱく質 | 3.6g | 3.2g |
脂質 | 2.0g | 3.6g |
炭水化物 | 3.1g | 4.8g |
食物繊維 | 0.2g | 0.3g |
食塩相当量 | 0g | 0.1g |
無調整豆乳と比べ、調製豆乳は
- エネルギーが約1.4倍
- 脂質が1.8倍
- 炭水化物が約1.5倍
と大幅に増加していることが分かりました。
調製豆乳の脂質・炭水化物が多いのは甘み(砂糖・水あめ)やコク(米油)を足しているためですね。
また、無調整豆乳と比べ調製豆乳は大豆固形分が低いためたんぱく質は1割ほど少なめ。
ダイエットのために続けるなら、断然「無調整豆乳」を選ぶべきと言えるでしょう。
<ビタミン>の栄養価
つづいてビタミンを比較します。
栄養素 | 無調整豆乳 | 調製豆乳 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 0μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.03mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.06mg | 0.05mg |
葉酸 | 28μg | 31μg |
ビタミンC | 0mg | 0mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 3.1mg | 5.9mg |
無調整豆乳・調製豆乳のいずれもビタミンEを豊富に含むのが特徴です。
ビタミンEには活性酸素を消去するなど高い抗酸化作用があり、老化の抑制や生活習慣病予防にうってつけ!
1日の摂取目安量は男性は6.5mg、女性は6.0gとなっており、調製豆乳なら100mlでほとんどのビタミンEがまかなえます。
<ミネラル>の栄養価
最後にミネラルを比較します。
栄養素 | 無調整豆乳 | 調製豆乳 |
---|---|---|
ナトリウム | 2mg | 50mg |
カリウム | 190mg | 170mg |
カルシウム | 15mg | 31mg |
マグネシウム | 25mg | 19mg |
リン | 49mg | 44mg |
鉄 | 1.2mg | 1.2mg |
調製豆乳が目立って増えているのがナトリウム。
これは、食塩による味付けによるものと考えられますね。
また、調製豆乳はカルシウムが無調整豆乳の2倍以上も多くなっており、こちらは添加物の『乳酸カルシウム』が加わっているためです。
乳酸カルシウムはカルシウムの乳酸塩。
ポピュラーな食品添加物で、ベーキングパウダーの原料となる成分です。
基本的に植物性の原料のみが使用されているので、乳アレルギーの方でも安心して飲むことができます。
無調整豆乳・調製豆乳の「名前」の違い
ここまで無調整豆乳・調製豆乳の違いをまとめてみました。
が、そもそも無調整豆乳と調製豆乳は「ちょうせい」の漢字が違います。
無調整豆乳の「調整」は調子などを整えて正常な状態に戻すこと、を意味する言葉。
一方で調製豆乳の「調製」は決められた注文に合わせてものを作ること、という意味。
『調整=整える』or『調製=決まり通りに作る』という違いがあったのですね。
【まとめ】無調整豆乳・調製豆乳の違い
無調整豆乳・調製豆乳の違いは
- 味を調整している(調製豆乳)or調整していない(無調整豆乳)
- 大豆固形分の違い
- 無調整:8%以上
- 調製:6%以上
- 豆乳飲料:2~4%以上
であることが分かりました。
味付けをしているかorしていないか、の違いは知っていました。
しかし、大豆固形分による違いがあることは知らなかったので驚きました。
また、味・大豆固形分の違いが栄養価の違いとしても表れているのがポイント!
無調整豆乳・調製豆乳の使い分けとしては
- ダイエット・健康・美容に役立てたい!⇒無調整豆乳
- 牛乳の代わりとしてゴクゴク飲みたい⇒調整豆乳
とすればOKだと思います。
ここまで無調整豆乳・調製豆乳の違いをまとめました。