豆腐の「水切り」とは豆腐の水気を切る料理工程です。
レシピにはよく『豆腐は水切りをする』などと指示が書かれていますよね。
しかし、なぜ豆腐の水切りをする必要があるのでしょう?
水切りをする理由と、豆腐の水切りをした方が良い料理についてまとめました。
さらに、豆腐の水切り方法もさまざま。そんな水切り方法4種類をそれぞれご紹介しています。
豆腐の「水切り」をする理由
豆腐の水切りには『料理が水っぽくなるのを防ぐ』・『形が崩れるのを防ぐ』・『味が染みこみやすくなる』といった主に3つの理由があります。
この3つの理由について、それぞれ掘り下げていきます。
また、豆腐の水切りをした方が良い料理についてもまとめました。
豆腐の水切りをしないと料理が水っぽくなる?
そもそも豆腐は全体のうち9割弱が水分でできています。
木綿豆腐 | 85.9g |
絹豆腐 | 88.5g |
充填豆腐 | 88.6g |
↑このように、一番水分量が少ない木綿豆腐でも85%が水分です。
つまり、1パック・300gの木綿豆腐は258.7gもの水分が含まれているという計算になります。
確かに、こんなに水分が多い豆腐をそのまま料理に使ったら、水っぽくなってしまいますよね。
料理が水っぽくなると、全体的に味も薄まってしまいます。
調味料の使用量を減らすためにも、水気は少ない方が良いですね。
※豆腐100gの水分量は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしました。
豆腐の水気が多い=形が崩れやすい?
豆腐に限らず、水気が多い食材は形が崩れやすいもの。
また、食材は水気が多ければ多いほど形は崩れやすくなります。
お好み焼きなどの粉物を料理するとき、粉に混ぜる水が増えれば増えるほどタネがユルくなるのはその例ですね。
そのため、少しでも形を崩れにくくするために豆腐の水気を切ることは有効です。
水気を切ることで崩れにくく、しっかりとした食感を楽しめるのも特長ですね。
水切りで味が染みやすい豆腐に!
水切りをして水分が抜けた豆腐には調味料が染みこみやすいというメリットもあります。
抜けた水分の穴にそのまま調味料が染みこむ、というイメージが分かりやすいですね。
また、水分が抜けたことで豆腐本来の味も強く感じられるようになります。
【疑問】水切りで出た水分の処遇について
豆腐の水切りによって出た水分はそのまま捨てましょう。
水切りで出た水分には際立って栄養が含まれているというわけではありません。
また、豆腐とともにパック詰めされている水も使い道はありませんので捨てましょう。
このパック詰めされている水は『封入水』と呼ばれ、
- 豆腐が空気に触れず、品質を保たれる
- クッションの役割を果たし、崩れるのを防ぐ
といった仕事をしてくれます。
飲んでも害はありませんが、特に栄養はないので薬にもなりません。
「もったいないから料理に使おうかな・・・」と思ってしまいがちですが、これからは構わずに捨てましょう。
豆腐の「水切り」をした方が良い料理
豆腐の水切りをした方が良いのは豆腐を加熱して使う料理です。
- 焼き料理:豆腐ステーキ・ソテーなど
- 炒め料理:チャンプルーなど
- 煮込み料理:肉豆腐・麻婆豆腐など
- 揚げ料理:揚げ豆腐など
また、水っぽくなるのを防ぐために、豆腐サラダや白和えなどに使用する際も水切りをした方が良いでしょう。
一方で、冷や奴など豆腐をそのまま味わう場合は水切りの必要はありません。
ただし水切りをすることで固めの食感・濃い味が楽しめるので、水切りをしてもOKです。
豆腐の水切り方法4選
豆腐の水切り方法として4種類をご紹介します。
それぞれの水切り方法から、どんな料理のときに行う水切りであるかなど気になることをCheckしましょう。
また、これからご紹介する水切りの他に1つ。
カット豆腐と一緒に入っていたパックの水を捨て、豆腐をパックに入れておくだけでも、ある程度の水は切れます。
さらに、使う大きさに切り分けてからパックに戻しておけば、より効率的に水が抜けます。
パックの中で切り分けてもOKです。
「そこまでしっかり水を切らなくても・・・」といった場合では、この水を抜いて放置でも充分なのでぜひお試しください。
キッチンペーパーに置く
豆腐の水切り方法その1は『キッチンペーパーに置く』です。
切って載せるだけなので、手間がないのがポイントですね。
- 使いたい大きさに豆腐を切り分ける
- バッド・平らな皿にキッチンペーパーを敷く
- 平らなザルがあればより効率的
- キッチンペーパーの上に豆腐を並べる
- そのまま10分以上放置する
しっかり水を切りたい場合は、冷蔵庫で数時間かけて行ってもOK。
また、キッチンペーパーで豆腐の上下を挟む・豆腐を包み込む、という方法ならより効果的です。
他の方法よりも時間がかかるのがデメリットですが、形が崩れにくいというメリットがあります。
柔らかい絹豆腐や充填豆腐にも使いやすい水切り方法です。
冷や奴、豆腐サラダなど。
水気をあまり切らなくても良い料理への使用がオススメです。
重しを載せる
豆腐の水切り方法その2は『重しを載せる』です。
一番オーソドックスな水切り方法ではないでしょうか?
- キッチンペーパーで豆腐を包む
- 包んだ豆腐をザルに載せ、その上から重しを載せる
- 直接重しを載せると豆腐が崩れてしまうので、皿などを敷き、均等に負荷がかかるようにする
- そのまま30分ほど置く
- 水切り時間はお好みで調節しましょう
重しを載せるとスピーディーに多くの水が切れるのでオススメです。
ただし、絹豆腐・充填豆腐は重しで豆腐が崩れる可能性があるので注意!
重しを載せる水切りは、木綿豆腐の水切りにのみに使うようにすると良いでしょう。
豆腐サラダ・白和えなど加熱しない豆腐料理にオススメ。
また、肉巻きなど豆腐に固さが欲しい場合の水切りにも適しています。
電子レンジで温める
豆腐の水切り方法その3は『電子レンジで温める』です。
豆腐は加熱することで水分が抜けやすくなり、簡単に水切りができます。
ただし、電子レンジ加熱の場合は温めすぎると穴が開いたり、最悪爆発するので注意が必要です。
- 豆腐をキッチンペーパーで包む
- 豆腐を耐熱皿に載せ、電子レンジへ入れる
- ラップはかけない
- 500~600Wで2分ほど加熱する
- 豆腐を取り出し、キッチンペーパーで包んだまま粗熱を取る
粗熱を取る時間があるものの、10分ほどで水切りができる時短方法です。
ただ、水切り後は豆腐が崩れやすくなるのがデメリットかもしれません。
豆腐ハンバークのタネとして形を崩して使う料理にオススメです。
豆腐ハンバークに使用する際は、肉が温まってしまうので、完全に冷めてから混ぜましょう。
茹でる
豆腐の水切り方法その4は『茹でる』です
『電子レンジで温める』でも説明しましたが、豆腐は加熱することで水分が抜けやすくなります。
「茹でたらかえって水を吸いそう・・・」と思ってしまいそうですが、実際やってみると、水はしっかり抜けます。
一度茹でた豆腐はプルプルとした食感になるのもおすすめポイントです。
- 豆腐を使いたい大きさに切り分ける
- 大きめの鍋にお湯を沸かす
- お湯が沸いたら中に豆腐を入れる
- 再びお湯が沸いたら豆腐をザルに上げる
- そのまま粗熱を取る
茹でた豆腐はくっつきやすいのがデメリット。
平たいザルに豆腐同士が付かないように置くと良いでしょう。
また、豆腐を茹でると、良くも悪くも豆腐の豆臭さが抜けてしまいます。
豆腐の風味を生かしたい場合には向きませんが、味の濃い料理に使う分にはむしろ使いやすいと言えるでしょう。
麻婆豆腐、煮物など。
再び加熱し、味を染みこませる工程がある料理にオススメ。
【まとめ】豆腐の水切りについて
- 豆腐の水切りは『水っぽくなること』『形が崩れること』を防ぐ
- 『味が染みこみやすくなる』ことも水切りの理由
- 豆腐の水切りは加熱料理やサラダ・白和えなどの料理に行う
- 水切り方法は使いたい料理に合わせて変えるべき
ここまで、豆腐の水切りについてまとめました。
普段何となく行っていた水切りですが、使う料理ごとに水切り方法を変えるべきとの情報は目から鱗でした。
これからは豆腐料理の水切りにもこだわっていきたいですね。