寒くなり焼き芋、つまり「さつまいも」が恋しい季節になりました。
そんなさつまいもはどうしてスイーツのように甘いのでしょう?
その甘さの理由は、さつまいもに含まれるある成分に理由がありました!
また、家庭でも簡単に作れる「甘いさつまいも」の料理法を大公開!
さつまいもの美味しい今の時期にぜひ試して欲しい、そんなさつまいも情報をお伝えします。
さつまいもが甘い理由
さつまいもが甘いのは消化酵素・β-アミラーゼの働きによるものです。
しかし、食べたことある方なら分かると思いますが、生の状態のさつまいもはそこまで甘くありませんよね?
それは、生の状態だとまだβ-アミラーゼがはたらいていないから!
β-アミラーゼは70℃前後の温度で最も活性化する消化酵素です。
活性化したβ-アミラーゼはデンプンを糖化させ「麦芽糖」という甘味成分を生み出します。
さつまいもはデンプンが豊富に含まれる野菜です。
その豊富なデンプンがβ-アミラーゼのはたらきにより糖に変わるのでさつまいもは甘くなるのです。
「熟成」でもさつまいもは甘くなる?
さつまいものデンプンは熟成により糖化させることもできます。
熟成の方法は、ただ常温で保存するだけ!
ただし、注意点もいくつかあるのでまとめてみました。
- よく乾燥させる
- 温度は15℃前後がベスト
乾燥させる必要があるのは、濡れていると腐りやすくなるためです。
また、温度が低すぎても高すぎてもNG。
低すぎると低温障害を起こし、高すぎると芽が出て美味しさが損なわれてしまいます。
保存におすすめなのは段ボール箱。
新聞紙で1本ずつ包んでからさつまいもを入れるとより良いでしょう。
保存期間は収穫してから1~3カ月ほどが目安です。
さつまいもを甘い焼き芋にするコツ
さつまいものβ-アミラーゼが最も活性化するのは70℃前後。
ただし、その70℃前後の温度を長い時間キープしなければデンプンの糖化は進みません。
よって、甘い焼き芋を作るにはいかに70℃前後をキープし続けるかが重要になります。
その温度をキープしやすい焼き方が、みなさんおなじみの石焼き芋!
石焼きでは加熱された石を使いじっくり長い時間をかけて火を通すことができます。
その温度と時間が焼き芋のあの甘さを引き出すことにつながるのです。
石焼き芋が美味しいのには理由があったんだ!
甘くならない!NG方法
さつまいもが甘い焼き芋になるためには、温度70℃前後で長時間加熱することが必要と分かりました。
したがって、この方法に即さない方法ではさつまいもは甘い焼き芋にはなりません!
甘くならない方法って?
具体的なNG方法は、電子レンジを使う料理法です。
電子レンジは電磁波により一気に食品を加熱する調理器具。
電子レンジだと「温度70℃前後」も「長時間加熱」も満たすことができず、なんともいまいちな仕上がりになってしまいます。
しかし、普通の家庭に美味しくできる本格的な石焼き芋道具はなかなかありませんよね?
蒸し器やオーブンでも美味しい焼き芋は作れますが、けっこうな時間がかかってしまいがち。
「簡単に美味しい焼き芋が作りたい!」
そんな時には、やはり電子レンジがおすすめ!
そこで、続いては電子レンジでも美味しいさつまいもを味わえる方法をご紹介します。
電子レンジで簡単!甘いさつまいもの作り方
ここまでご説明したさつまいもが甘くなる理由をふまえて、電子レンジでさつまいもを甘くする方法をご紹介します。
1 さつまいもを濡らす
まず、さつまいもをよく洗います。
次によく水で濡らしたキッチンペーパーor新聞紙でさつまいもをくるみます。
さつまいもを濡れた状態で加熱するのには、
- 高温を避ける
- 適度に水分を与える
という2つの理由があります。
2 ラップで包む
キッチンペーパーor新聞紙でくるんださつまいもを、今度はラップで包みます。
ラップはぴったりすき間なく包みます。
すき間があるとちゃんと蒸かせないので注意!
3 電子レンジで加熱<1回目>
電子レンジに入れ600Wで加熱します。
大きさにより調整が必要ですが、300gくらいのさつまいもで1分半ほど、200gくらいなら1分ほどでOKです。
この1回目の加熱で、さつまいもの温度を70℃にします。
4 電子レンジで加熱<2回目>
再び電子レンジで加熱します。
ただし、2回目はワット数に注意が必要!
200W or 電子レンジの「解凍モード」で10分ほど加熱します。
小さめのさつまいもなら7~8分でOK!
5 火が通ったか確認
あたためが終了したら、さつまいもの一番太いところに竹串などを刺して確認します。
抵抗なくスッと入ったらOK。
もしまだ固い場合は、200W・解凍モードで30秒ずつ加熱を追加します。
しっかりやわらかくなったら完成です!
この電子レンジを使った方法なら、手間もなく片付けも少なく15分ほどでできて楽チンですね。
ここまで、さつまいもが甘い理由・甘いさつまいもの作り方についてお伝えしました!
この記事を参考に、秋の味覚・さつまいもを味わってもらえたら嬉しいです。