見た目がよく似ている『ほうれん草』と『小松菜』。
そんなほうれん草と小松菜の違いを
- 見た目
- 分類
- 旬の時期
- 栄養価
- アク抜き
- 生食
の6ポイントからまとめてみました。
似ているようで意外と違うほうれん草・小松菜の違いは知っておいて損はないですよ。
ほうれん草と小松菜の「見た目」の違い
ほうれん草と小松菜において、一番分かりやすい見た目の違いは「根元」にあります。
さっそくほうれん草と小松菜の根元を確認してみましょう。
まずはほうれん草の根元。
ほうれん草は根元の部分だけ赤みがかっているのが分かりますね。
続いて、小松菜の根元。
小松菜は根元まで緑一色です。
根元が赤いのがほうれん草、根元まで緑なのが小松菜という「見た目」の違いがありました。
ただし、ほうれん草の中には根元まで緑色のもの、茎全てが赤色のものなど、様々な種類があり、一概には言えません。
また、根元の色以外の違いとして、茎が細めなのがほうれん草、茎が太めなのが小松菜という見分け方もできます。
あくまで市販されているほうれん草と小松菜の見分け方として、参考にしてみてください。
ほうれん草と小松菜の「分類」の違い
ほうれん草はヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属、小松菜はアブラナ科アブラナ属に分類されます。
ほうれん草・小松菜の「分類」は違います。
ここからは、そんなほうれん草・小松菜の分類をそれぞれ掘り下げていきます。
ほうれん草の分類
ほうれん草が属する『ヒユ科』はケイトウやセンニチコウといった観賞用の植物が分類される科です。
そのうちアカザ亜科(アカザ科)には、スーパーフードとして人気のキヌアや、甜菜糖が採れるテンサイ、ボルシチでお馴染みのビーツなどが含まれます。
小松菜の分類
小松菜が属するアブラナ科アブラナ属にはキャベツ・ブロッコリーなど親しみ深い野菜が多く含まれます。
その他にも白菜・芽キャベツ・かぶ・水菜・菜の花など冬~春にかけて旬を迎える野菜ばかり。
ほうれん草と小松菜の「旬」の違い
ほうれん草と小松菜の旬はいずれも冬です。
ほうれん草と小松菜の「旬」は同じでした。
細かく時期で分けると、ほうれん草は11~2月ごろ、小松菜は12~3月ごろが旬とされています。
ただし、小松菜は栽培適温が10~25℃と幅広く、露地でも通年栽培が行われることもあり、1年中安定して供給されることが多いです。
ほうれん草は寒さには強いものの暑さは苦手なので、涼しいor寒い環境での栽培が主流。
わざと寒い環境に置く『寒締め』という方法で栽培された「ちぢみほうれん草」は、甘み・栄養を蓄えた肉厚な葉から人気が高く、寒い冬の風物詩と言えるでしょう。
ほうれん草と小松菜の「栄養価」の違い
ほうれん草と小松菜の栄養価の違いを表で確認していきます。
- ほうれん草:ほうれんそう/葉/通年平均/生
- 小松菜:野菜類/こまつな/葉/生
<基本>ほうれん草の栄養価
まずは基本の栄養素の含有量です。
栄養素 | ほうれん草 | 小松菜 |
---|---|---|
エネルギー | 18kcal | 13kcal |
水分 | 92.4g | 94.1g |
たんぱく質 | 2.2g | 1.5g |
脂質 | 0.4g | 0.2g |
炭水化物 | 3.1g | 2.4g |
食物繊維 | 2.8g | 1.9g |
基本の栄養価ではほうれん草・小松菜にそこまでの差はありません。
ただし、ほうれん草の方が水分が少なく、全体的に栄養価の数値が高いことが分かります。
<ビタミン>ほうれん草の栄養価
続いてビタミンの含有量です。
栄養素 | ほうれん草 | 小松菜 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 4200μg | 3100μg |
ビタミンB1 | 0.11mg | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.20mg | 0.13mg |
ビタミンB6 | 0.14mg | 0.12mg |
葉酸 | 210μg | 110μg |
ビタミンC | 35mg | 39mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 2.3mg | 1.0mg |
ほうれん草と小松菜はビタミンCを除いた全ての数値でほうれん草が小松菜を上回る、という結果になりました。
けして小松菜の栄養価が低いわけではなく、ほうれん草の栄養価がより高いのですね。
<ミネラル>ほうれん草の栄養価
最後はミネラルの含有量です。
栄養素 | ほうれん草 | 小松菜 |
---|---|---|
ナトリウム | 16mg | 15mg |
カリウム | 690mg | 500mg |
カルシウム | 49mg | 170mg |
マグネシウム | 69mg | 12mg |
リン | 47mg | 45mg |
鉄 | 2.0mg | 2.8mg |
ほうれん草と小松菜のミネラルの違いは「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」の3つで大きな差が出ました。
まず「カリウム」は、100gあたりほうれん草は690mg、小松菜は500mgとほうれん草の方が約1.4倍も多いという結果に。
つづいて「カルシウム」は、ほうれん草49mgに対し、小松菜は170mg。
小松菜はほうれん草より約3.5倍カルシウムを多く含むという大差がつきました。
最後に「マグネシウム」は、ほうれん草は69mg、小松菜は12mgとほうれん草が小松菜の5.75倍も多く含むという結果でした。
ほうれん草と小松菜の「アク抜き」の違い
ほうれん草にはアク抜きの必要がありますが、小松菜には必要ありません。
「アク抜き」はほうれん草のみ必要、小松菜に「アク抜き」は不要となります。
ほうれん草と小松菜のアクはいずれもシュウ酸という成分。
成分は同じシュウ酸ですが、ほうれん草には多く含まれ、小松菜にはそこまで含まれません。
アク・シュウ酸を抜かないと、エグ味や臭みが残り、風味が損なわれます。
また、シュウ酸にはカルシウムの吸収を阻害したり、尿路結石のリスクを高めたりするデメリットが!
味や健康のためにも、ほうれん草を料理するときには下茹でなどのアク抜きをした方が良いでしょう。
また、少ないながらも小松菜にアク・シュウ酸が含まれているのは変わりません。
気になる場合は小松菜もアク抜きをしてから料理することをオススメします。
ほうれん草と小松菜の「生食」について
ほうれん草は生で食べられませんが、小松菜は生でも食べられます。
ほうれん草は生食NG、小松菜は生食OKという違いがありました。
小松菜が生で食べられる理由はアク・シュウ酸が少ないため。
反対に、ほうれん草が生で食べられないのはアクが多いためとなります。
アク抜きは下茹でなど加熱調理により行われることが多く、アク抜きの必要がない小松菜はそのまま加熱の必要もない、ということになります。
けれども、ほうれん草の中でもアクが少ない品種は生で食べられます。
ほうれん草を生で食べることで水溶性のビタミンB群やビタミンC、カリウムなどの栄養素がそのまま摂れるというメリットがあります。
また、生食できる小松菜にもいくつかの注意点があります。
生で食べる以外にも効率的に栄養が摂れる食べ方があるのでぜひ↑をチェックしてみてくださいね。
【まとめ】ほうれん草と小松菜の違い
ほうれん草と小松菜の違いを表でまとめてみました。
特徴 | ほうれん草 | 小松菜 |
---|---|---|
見た目(根元) | 赤い | 緑色 |
分類 | ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬 | 冬 | 冬 |
アク抜き | 必要 | 不要 |
生食 | × | ○ |
こうしてみると、旬以外の特徴にすべて違いがあることが分かりました。
同じように料理に使っていたほうれん草と小松菜ですが、調べてみるとぜんぜん違う野菜と分かり衝撃です。
これからはほうれん草・小松菜の特性を活かし、料理に使っていきたいと思います。