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椎茸を干すメリットとは?椎茸・干し椎茸1枚あたりの栄養比較!

秋の味覚・きのこの中でもトップクラスのネームバリューを誇る椎茸(しいたけ)。

肉厚でジューシーな椎茸は、バターソテーや肉詰めにしても美味しいのが魅力です。

そんな椎茸には、干した状態で売られている「干し椎茸」なるものがありますよね。

この干し椎茸、どうしてわざわざ干してあるのでしょう?

また、干し椎茸って家庭でも作れるのでしょうか?

さらに椎茸と干し椎茸は栄養価も違うとのウワサも!

気になる栄養比較についてまとめてみました。

椎茸を干すだけで何かが変わるものなのかな?

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干し椎茸について

まずは干し椎茸の基本について説明します。

そもそも、椎茸とはどんなきのこなのかをはじめにおさらい。

続いて干し椎茸の説明をしていきます。

身近な椎茸ですが、意外と知らないことがあるかもしれませんよ。

椎茸のおさらい

椎茸はハラタケ目キシメジ科に分類されるきのこ。

椎茸

日本では古くから食用きのことして親しまれ、現在でも高い人気を集めています。

椎の木に生えるきのこなので椎茸と呼ばれていますが、椎の他にもクヌギやコナラでも生長します。

流通している椎茸には、

  • 木に種菌を植え栽培する「原木椎茸」
  • おがくずがベースのブロックに種菌を繁殖させる「菌床椎茸」

の2種類があり、現在では「菌床椎茸」がシェア85%ほどを占め主流です。

干し椎茸とは

干し椎茸はその名の通り椎茸を干して乾燥させたものです。

干し椎茸

日本では煮物の出汁を取るために使用されることが多いかと思います。

そんな干し椎茸は、かさの開き具合から3つの種類に分けられます。

  • どんこ(冬菇)
  • こうしん(香信)
  • こうこ(香菇)

「どんこ」はスーパーなどでもよく見かけるから知っているけど、他の2つは知らなかったな。

この3種類の特徴をまとめてみました。

種類特徴
どんこ肉厚
かさが開ききっていない
こうしん薄く平たい
かさが開いている
こうこどんこ・こうこの中間

干し椎茸って3つも種類があったんだね。

でも、どうしてわざわざ椎茸を干しているんだろう?

どうして椎茸を干すのか

椎茸を干す理由は、干すことにより旨味が増すからです。

椎茸はグルタミン酸100gあたり70mgと多く含むきのこです。

グルタミン酸は昆布やチーズなどに豊富に含まれる旨味成分。

この椎茸のグルタミン酸は干して乾燥させることで大幅に増加!

なんと100gあたり1000mg以上になるほどアップします。

10倍以上も増えるなんてすごい!

この数値は、特にグルタミン酸が豊富な昆布にも匹敵する量です。

さらに、干すことで別の旨味成分・グアニル酸も生成されます。

グアニル酸は、干し椎茸など主に乾燥させたきのこに含まれる旨味成分。

干し椎茸には100gあたり150mg含まれます。

この干し椎茸の含有量は他の食材と比べて断トツ!

また、旨味成分は他の成分といっしょに味わうことでより旨味を増すと言われています。

よって、グルタミン酸が増えるだけでなくグアニル酸も生成される干し椎茸は、椎茸と比べて旨味が抜群に強く感じられるのです。

干し椎茸の「旨味」について詳しくはこちらを参考にしてください!

「生しいたけ」と「干ししいたけ」の違いとは?同じしいたけでも実はこんなに違う! | 姫野一郎商店 明治十年創業
野菜、果物、肉、魚、なんでも食べ物は新鮮なものほどおいしいし、安心して食べられるイメージがありますよね。 …続きを読む

さらに、椎茸は干すことによって含まれるレンチニン酸が分解。

それにより香り成分・レンチオニンが生成されるので、生の椎茸よりも香りが高くなるのです。

椎茸を「干す」ことはいいことずくめなんだね。

干し椎茸は家庭でも作れる?

スーパーで買うとけっこうお高めな干し椎茸。

そんな干し椎茸は家庭で簡単に作れます!

干し椎茸の作り方を簡単にまとめてみました。

①下準備

まず下準備としてすることは2つ。

  • 石づき(軸の部分)を取る
  • 全体の汚れを落とす

このとき、薄切りにしてもOK!

薄切りなら干し時間短縮になり、使い勝手も良くなります。

②ザル・カゴに並べる

風通しを良くするために、干す際はザルやカゴに並べます。

市販の野菜干しネットを使うと風に飛ばされる心配もなく楽チンです。

また、並べるときは椎茸が重ならないようにします。

干す向きは、椎茸のかさ(茶色い方)が下です。

③干す

干す場所の条件は2つ。

  • 直射日光が当たる
  • 風通しが良い

ザルやカゴだと風で飛ばされる心配があるので、日が差す室内でもOKです。

乾燥期間は、丸ごとで~1週間、薄切りで~4日ほど。

しっかり乾燥させないと保存中にカビが生える可能性があるので、からからに乾燥させるのがポイントです。

さらに、オーブンや電子レンジで水分を飛ばしてから干す時短方法もあります。

手作り干し椎茸の保存

手作り干し椎茸の保存期間は2カ月が限度です。

保存のときはファスナー付き保存袋や密閉できる容器に入れます。

また、保存容器に乾燥剤をいっしょに入れるとさらに良い状態で保存できます。

椎茸と干し椎茸の栄養比較

椎茸は干すことで旨味成分が圧倒的に増すことが分かりました。

干し椎茸

さて、ここで気になるのは他の栄養成分も増えるのかどうか!

そこで椎茸と干し椎茸の栄養価を表で比較してみました。

100gあたりの含有量椎茸干し椎茸
エネルギー18kcal182kcal
食物繊維3.5g41g
カリウム280mg2100mg
ビタミンD2.1μg17μg

ここからは、上記栄養について詳しく掘り下げていきます。

エネルギー

100gあたりの椎茸のエネルギーは18kcal、干し椎茸のカロリーは182kcalです。

つまり、椎茸を干すとカロリーは10倍にも増加しています!

スゴく高カロリーになってる・・・。

一見カロリーが大幅にアップしたかに見えますよね。

しかし、これは椎茸1つあたりの分量が変わったことによりそう見えるだけ!

生の椎茸は1つあたり10~15g前後

よって、椎茸1つを10gとするとエネルギーは1.8kcalとなります。

また、干し椎茸は1つあたり2gほど。

重量が1/5に減るのは、干すことで椎茸の大部分を占めていた水分が飛ぶためです。

分量は「椎茸1つ(10g)=干し椎茸5つ(2g×5)」となりますね。

したがって干し椎茸1つあたりのエネルギーはおよそ3.64kcal

つまり干し椎茸は椎茸と比べエネルギーが2倍に増えることが分かりました!

エネルギーは身体を動かすのに必要な栄養素!

摂りすぎは太る原因になりますが、適度に摂ればパワーの源としてはたらきます。

10倍とまではいきませんでしたが、2倍になるとしてもなかなかのカロリーアップですね。

食物繊維

食物繊維は、生の椎茸では3.5g、干し椎茸では41gでした。

その差はおよそ12倍!

ただし、椎茸1つあたりで比較したいので、先ほどの分量「椎茸1つ(10g)=干し椎茸5つ(2g×5)」を当てはめて考えます。

すると、食物繊維量は椎茸1つあたりで0.32g、干し椎茸1つあたりで0.82gとなります。

よって1個あたりの比較では、椎茸より干し椎茸の方が2.3倍以上も食物繊維量が増えます。

きのこはもともと食物繊維を豊富に含む食材です。

食物繊維のはたらきと言えば腸内環境の改善。

便秘気味の方に積極的に摂ってほしい栄養成分です。

そんなきのこが干すことでさらに食物繊維が増えるなんて、とてもお得に感じますね。

カリウム

生の椎茸のカリウムは280mg、干し椎茸は2100mgです。

「椎茸1つ(10g)=干し椎茸5つ(2g×5)」の分量で換算すると、椎茸1つあたりでは28mg、干し椎茸では42mgに。

よって干し椎茸のカリウム量は椎茸と比べ1.5倍に増えます。

カリウムのはたらきは、

  • ナトリウムの排出→高血圧の予防
  • 利尿効果→むくみ解消
  • 老廃物の排せつ

さらに食欲アップ効果もあるので、夏バテ防止にも効果的な栄養素と言えます。

ビタミンD

ビタミンDは生の椎茸で2.1μg、干し椎茸で17μgでした。

「椎茸1つ(10g)=干し椎茸5つ(2g×5)」換算では、1つあたり椎茸は0.21μg、干し椎茸は0.34μgです。

その差はおよそ1.6倍になりました。

さらに、ビタミンDは日に当てることで増やすことも可能です。

椎茸にはエルゴステロールという物質が含まれています。

このエルゴステロールはビタミンDの前駆体。

何らかの作用によってビタミンDに変化する物質です。

エルゴステロールがビタミンDに変化するために必要なのは紫外線

よって、椎茸を紫外線が含まれた日の光に当てることでエルゴステロールがビタミンDに合成され、増えていくのです。

実は人間も日の光を浴びることでビタミンDを作っているんだよ。

干し時間は30~1時間ほどでOK!

ビタミンDにはカルシウムの吸収をサポートするはたらきがあります。

また、牛乳・チーズカルシウムを豊富に含んだ食品といっしょに摂るとより効果が高まります。

よって、成長期のこどもや高齢者が摂るべき栄養と言えますね。

まとめ

椎茸を干すメリットは、旨味成分を増加させること。

グルタミン酸は大幅に増加し、グアニル酸は生成されます。

この2つの旨味成分の相乗効果により、干す前よりも深い旨味を感じられるようになるのです。

さらに、干すことで食物繊維やビタミンDなどの栄養成分も増大することが分かりました。

手間はかかるものの自家製も可能な干し椎茸。

生の椎茸だけでなく、これからは干し椎茸も積極的に食卓へ取り入れていきたいですね!

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