肉じゃが、カレー、シチューなど、煮物料理に欠かせないじゃがいも。
煮ればトロトロホクホクで美味しいじゃがいもですが、料理で悩ましいのが煮崩れしてしまうこと。

じゃがいもを煮崩れさせない方法なんてあるのかな?
そんなじゃがいもが煮崩れしない方法を調べたところ、煮崩れ予防策がたくさん見つかりました!
今回はそんなじゃがいもの煮崩れを防ぐ料理法をお伝えします。
さらに、煮崩れしにくいじゃがいもの品種についてもまとめてみました。
じゃがいもが煮崩れしない方法

じゃがいもは
- 水にさらす
- 水からゆでる
- 油で炒めてから煮る
- 強い火力で煮ない
という4つのポイントから煮崩れを防ぐことができます。
水にさらす理由
水にさらす理由は表面に付いたデンプン質を落とすため。
デンプンは煮ると膨らみ、細胞同士の結びつきを弱めてしまいます。
そのため、デンプンを意識的に落とすことで煮崩れを防ぐことができます。
じゃがいもを水からゆでるのも同じ理由です。
水にさらす時間は5~10分ほどが目安です。
さらす水はケチらずたっぷりがオススメ!
水にさらすメリットは他にも!
じゃがいもを水にさらすと、煮崩れだけでなく変色も防ぐことができます。
じゃがいもに含まれるポリフェノールは、空気に触れると酸化し黒ずんでしまいます。
味に変化はありませんが、見映えが悪くなるのは事実。
切ってから煮るまでに時間を置く場合も水にさらしておくのが良いでしょう。
水からゆでる理由
じゃがいもを水からゆでる理由はペクチンのはたらきを強めるためです。
ペクチンとはじゃがいもに含まれる糖類のこと。
このペクチンには細胞同士を結びつけるはたらきがあり、ジャムをゼリー状にするために使われることもあります。
そんなペクチンが最も働きやすいのが60℃前後の環境。
※正確に言えば、ペクチン同士を結びつける酵素が活性化する温度が60℃前後ということになります。
60℃前後の環境でゆっくり煮ることでペクチンがしっかりはたらき、煮崩れを防止できるのです。
後述する強い火力で煮ないも同じ理由から煮崩れを防ぎます。
また、水からゆでることで細胞同士の結びつきを弱めるデンプンを落とす効果もあります。
- デンプン:細胞同士の結びつきを弱める
- ペクチン:細胞同士の結びつきを強める
煮崩れも防げる水からゆでる方法ですが、じゃがいもに火が均一に通りやすいという観点からもオススメできる方法です。
油で炒めてから煮る理由
じゃがいもを油で炒めてから煮る理由は油でじゃがいもの表面に膜を張るためです。
油で表面をコーティングしてあげることで、煮崩れしにくくできるのですね。
強い火力で煮ない理由
じゃがいもを強い火力で煮ない理由は高温下だとペクチンのを弱めてしまうためです。
細胞同士を結びつけるペクチンは、酵素によって結びつきを強化します。
しかし、いきなり高温で加熱するとその酵素が死滅。
ペクチンの結びつきも弱まり、煮崩れしやすくなってしまいます。
そのため、じゃがいもは弱めの火力でコトコトゆっくり煮るのがオススメです。
ある程度火を通したら、あとは余熱で~というのもアリですね♪
煮崩れしにくいじゃがいもの品種
じゃがいもの煮崩れを防ぐなら、煮崩れしにくいじゃがいもを選ぶのも1つの手。
品種によって煮崩れしやすさに違いがあるじゃがいも。
煮崩れレベルによってじゃがいもを分けてみました↓。
煮崩れしにくいじゃがいもの品種
煮崩れしにくいじゃがいもとして有名なのがメークイン。

細長い形とすべすべした表面が特徴の品種です。
スーパーなどでも一般的に見かけるポピュラーな品種なので、料理で使ったことがある方も多いでしょう。
メークインが煮崩れしにくいのは、含まれるデンプンの数が他の品種より少ないから。
先ほど説明しましたが、デンプンは細胞同士の結びつきを弱めるというデメリットがあります。
メークインは、そんなデンプンがもともと少ないため煮崩れしにくいのですね。
さらに、メークインはねっとりした食感も持ち味!
長時間煮ても崩れず、ねっとり食感もそのままなので、煮物で楽しむならメークインがオススメです。
北海道の「とうや」もオススメ!
煮崩れしないじゃがいもとして、メークインと双璧を成す存在と言えるのがとうやという品種。
このとうやは1995年に品種登録された北海道生まれのじゃがいもです。
「黄爵」という漢字が表す通り、男爵いものような見た目ながらも果肉が黄色いのが特徴です。
よく似た男爵いもよりもデンプンが少ないため、煮崩れしにくい品種として知られています。
食感はなめらか、味はあっさりしている煮物向きのじゃがいもと言えます。
※参考
とうや|JAきたあかり
煮崩れしやすいじゃがいもの品種
煮崩れしやすいじゃがいもの品種はキタアカリです。

キタアカリは、鮮やかな黄色い果肉と甘味が強い味から「栗じゃがいも」と呼ばれることもある品種です。
そんなキタアカリの特長はホクホクした食感。
じゃがバターなどじゃがいもの素材の味をダイレクトに感じる料理にするとより美味しく味わえます。
しかし、ホクホク食感が強いということは、すなわちデンプンが多く含まれているということ。
デンプンが多い=煮崩れしやすいというメカニズムから、キタアカリは煮物に向いていないじゃがいもと言えます。
煮物に向いていない分、
- ポテトサラダ
- ポテトフライ
- 粉ふきいも
などのじゃがいも料理にはうってつけではあります。
一般的な「男爵いも」の煮崩れ度合いは?
じゃがいもの品種でもっとも有名と言えるのが男爵いも。

ゴツゴツした見た目とホクホクした食感が持ち味で「じゃがいもと言えば男爵いも!」と思っている方も多いでしょう。(まさにわたしはそう思っています。)
じゃがいもを料理に使うときは、基本的に男爵いもを選ぶという方も少なくないと思います。
そもそも、スーパーに並ぶじゃがいもはほとんどが男爵いもなので選ぶ余地はない場合もあるでしょう。
そんな男爵いもは煮崩れしやすい品種です。
煮崩れのしやすさはキタアカリと同程度か、少し煮崩れしにくいほど。
ホクホクしてデンプンが多いので、どうしても崩れやすいのが玉に瑕です。
ただ、カレーでは逆に煮崩れさせてルウに溶かし込むのも美味しさの秘訣ではあります。
それでも、できるだけ煮崩れさせたくないという場合は、煮崩れさせない方法でしっかり対策し防止することが大切です!

実体験ですが、水にさらしておけば男爵いもでも煮崩れはだいぶ防げます。
男爵いもは使い勝手が良いのが特長なので、料理ごとに上手く対応できるとバリエーションの幅が広がります。
新じゃがいもの煮崩れ防止法
春先から市場に出回る新じゃがいも。

そんな新じゃがいもの煮崩れを防ぐには皮ごと使うのがオススメ。
皮ごと食べられるという新じゃがいもの特長を活かせば、食感&味だけでなく見た目も良いじゃがいも料理が楽しめます。
※参考
カゴメ株式会社 [カレーに合うじゃがいも]種類で食感&味わいがこんなに違う!
まとめ
- じゃがいもが煮崩れしない方法は
- 水にさらす
- 水からゆでる
- 似る前に油で炒める
- 強い火力で煮ない の4つが挙げられる。
- 品種で煮崩れ度合いを比べると
- メークインは煮崩れしにくい
- キタアカリは煮崩れしやすい
- 男爵いもはやや煮崩れしやすい となった。
- 新じゃがいもの煮崩れを防ぐには皮ごと使うとよい。
煮物で大活躍するじゃがいもの煮崩れ防止法についてまとめました。
料理は味が大事ですが、食感や見た目も同じくらい大切です。
じゃがいもの煮崩れを防止して、キレイで美味しい料理を目指しましょう!