薬味として人気が高い「大葉(青じそ)」。
そんな大葉は「栄養価がとにかく高い!」との情報が。
この「大葉は栄養価が高い!」という情報は本当なのか、栄養成分表から調べてみました!
さらに、大葉に豊富な栄養素の働きについてもまとめています。
大葉100gはどのくらいの量?
大葉は1枚あたりの重さは1g弱です。
つまり、大葉100gは少なくとも大葉100枚以上となります。
スーパーなどで売られている大葉は大抵10枚のセット単位。
したがって大葉100gは大葉セット10セット~となります。
大葉を1回に食べる量はせいぜい2~3枚。大葉100gを食すのはなかなか難しいですね。
それでは、ここからは大葉100gあたりの栄養成分表をまとめていきます。
また、数値は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のうち『野菜類/しそ/葉/生』のものとなります。
<基本>大葉の栄養価
まずは大葉の基本の栄養価です。
栄養素 | 大葉100gあたりの含有量 |
エネルギー | 32kcal |
水分 | 86.7g |
タンパク質 | 3.9g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 7.5g |
食物繊維 | 7.3g |
特筆すべきは食物繊維の豊富さ!
食物繊維は「炭水化物のうち糖質を除いた数値」ですが、大葉の場合、炭水化物7.5gのうち食物繊維の量は7.3g。
糖質に当たる部分は0.2gしかない、とても低糖質な野菜となっています。
そんな食物繊維の働きをまとめます。
大葉が豊富に含む「食物繊維」について
食物繊維は水に溶けやすい『水溶性食物繊維』、水に溶けにくい『不溶性食物繊維』の2つに大別できます。
そんな水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の大葉の含有量は↓になります。
水溶性食物繊維 | 0.8g |
不溶性食物繊維 | 6.5g |
水溶性食物繊維が0.8g、不溶性食物繊維が6.5gと圧倒的に不溶性食物繊維が豊富という結果になりました。
この不溶性食物繊維が100gあたち6.5gというのは、すべての野菜の中でもトップクラスの数値!
あまりにも豊富なので、もっと大葉が大量に食べやすい野菜だったらと思わずにはいられません・・・。
不溶性食物繊維の働き
不溶性食物繊維には
- 便秘の予防・便通改善
- 有害物質(発がん性物質など)の排出をサポート
- 噛む回数を増やす
という働きがあります。
不溶性食物繊維は水分を含んで便の量を増やす性質があり、排便をサポートします。
便秘気味の方は水分と合わせて不溶性食物繊維を豊富に含む食材を食べると効果的です。
<ビタミン>大葉の栄養価
つづいて大葉のビタミンの栄養価です。
栄養素 | 大葉100gあたりの含有量 |
βカロテン(ビタミンA) | 11000μg |
ビタミンB1 | 0.13mg |
ビタミンB2 | 0.34mg |
ビタミンB6 | 0.19mg |
葉酸 | 110μg |
ビタミンC | 26mg |
ビタミンD | 0 |
ビタミンE | 3.9mg |
目立つ数値はβカロテンの11000μgという数値。明らかに多いですね。
ここからはそんなβカロテンについてご紹介します。
大葉が豊富に含む「βカロテン」について
βカロテンは体内でビタミンA(レチノール)に変換される栄養素。
オレンジ色の色素成分でもあり、自然界の植物にありふれた成分の1つでもあります。
このβカロテン量により、野菜は緑黄色野菜・淡色野菜に分類されます。
- 100gあたりのβカロテン量が600μg以上→緑黄色野菜
- 100gあたりのβカロテン量が600μg未満→淡色野菜
つまり大葉は緑黄色野菜に分類されます。
にんじんに多く含まれることで知られるβカロテンですが、大葉のβカロテン量はそんなにんじんを上回るほど豊富です!
ただし、にんじん100gと大葉100gの食べやすさを比べたら、圧倒的ににんじん100gに軍配が上がります。大葉よりもにんじんでβカロテンを摂取した方が確実に効率は良いです。
βカロテンの働き
βカロテンには
- 抗酸化作用
- 生活習慣病の予防に
- 目の保護
- 目の神経伝達物質となるため
- 粘膜・皮膚の健康を保つ
- 免疫力アップ
という働きがあります。
βカロテンは目で光を感じる物質を作るため、不足すると暗いところで目がよく見えなくなります。
そんなβカロテンは油に溶ける脂溶性という性質を持ち、油とともに摂取することで体内で吸収されやすくなります。
油炒めや油入りドレッシングなどをかけて食べると効率的にβカロテンが摂れそうですね。
<ミネラル>大葉の栄養価
最後に大葉のミネラルの栄養価です。
栄養素 | 大葉100gあたりの含有量 |
ナトリウム | 1mg |
カリウム | 500mg |
カルシウム | 230mg |
マグネシウム | 70mg |
リン | 70mg |
鉄 | 1.7mg |
大葉はミネラルを全体的に豊富に含む野菜です。
その中でもカリウム・カルシウムの量は他の野菜と比べても豊富!
そんなカリウム、そしてカルシウムについてご紹介します。
大葉が豊富に含む「カリウム」について
カリウムは夏野菜に多く含まれる栄養素です。
そのため、カリウムには夏の猛暑に対応できるような
- 利尿作用
- むくみ解消
- 身体を冷やす
- 余分なナトリウムの排出をサポート
- 高血圧予防
- 筋肉の収縮をサポート
という働きを持ちます。
カリウムは尿だけでなく汗でも排出されてしまいます。
そのため、夏場は特に積極的に摂ることがオススメです。
大葉が豊富に含む「カルシウム」について
カルシウムと聞くと牛乳に含まれ、成長期に欠かせない栄養素というイメージですよね?
このイメージは正しく、カルシウムには体内で骨や歯を作る働きがあります。
また他にも、
- 血液凝固作用
- 神経・筋肉の正常作用
という働きがあります。
という文句を聞いたことはありませんか?
これはカルシウム不足による神経過敏でストレスを感じやすくなってしまうからです。
成長期の子どもはもちろん、大人にもカルシウムは欠かせませんね!
ここまで、大葉の栄養価について調べてみました。
薬味として親しまれている大葉にここまで豊富な栄養が隠されていたとは、意外でしたね。
しかし、大葉は1枚あたりの質量が少なく、一度に大量に食べられないのがデメリット。
大葉を中心に栄養を摂るのではなく、あくまでも補助的な役割としての摂取が望ましいでしょう。
また、大葉の香り成分についてはこちらの記事もオススメです。
ストレスを感じるのはカルシウムが不足しているから!