どちらもイタリアの麺料理というイメージのパスタ・スパゲッティ。
そんなパスタ・スパゲッティの違いとは一体何なのでしょう?
また、日本における「パスタ」や「スパゲッティ」とは?
パスタ・スパゲッティの種類についても掘り下げてみました。
パスタ・スパゲッティの違い
スパゲッティはパスタの種類の1つです。
そもそも「パスタ(pasta)」とは小麦粉を練り作られた食品全般を指す言葉。
基本的に小麦粉で練り上げた食品であれば、みんなパスタです。
「パスタ」という言葉には
- イタリアにおける主食で、いわゆる「パスタ」
- 【広義】お菓子も含めた、小麦粉を練り作られた食品全般。特に焼き菓子
- 【派生義】食品以外のペースト状のもの全般
という3通りの使われ方がありますが、断りがなければ「1」の使用法が一般的です。
また、日本・英語圏では「パスタ」という言葉を『パスタの麺そのもの、もしくはパスタ料理』を指す言葉として使用しています。
たしかに「パスタ」=「パスタ料理」というイメージが強いですね。
そんなパスタのうち「スパゲッティ(spaghetti)」とは細い紐状(棒状)に加工されたパスタの一種となります。
そのため、スパゲッティのことをパスタと呼ぶのは問題ありません。
しかし、パスタにはスパゲッティ以外にも多くの種類があり、そのそれぞれに名前があります。
ここからは、パスタの種類と名前をまとめていきます。
日本における「パスタ」の分類
日本では、食品表示法の下に制定された「食品表示基準」によりパスタは<マカロニ類>に分類され、形状ごとに定義されています。
<マカロニ類>の定義は「デュラム小麦のセモリナ等の原料小麦粉に水を加え、練り、マカロニ類成形機から高圧で押出して製麺しためん類」とされ、その種類は
- マカロニ
- 2.5mm以上の太さの管状又はその他の形状(棒状又は帯状のものを除く。)に成形したもの
- スパゲッティ
- 1.2mm以上の太さの棒状又は2.5mm未満の太さの管状に成形したもの
- バーミセリ-
- 1.2mm未満の太さの棒状に成型したもの
- ヌードル
- 帯状に整形したもの
の4つが定義されています。
ちなみに「デュラム小麦」とは、パスタの原料として使われる小麦のことです。
この↑を踏まえて、パスタの種類を確認していきましょう。
パスタの種類
パスタの種類をまとめます。
パスタには大きく分け『ロングパスタ』と『ショートパスタ』の2種類があります。
そのロングパスタ・ショートパスタごとに、さらに種類を深掘りしていきます。
ロングパスタ
名前の通り長いパスタ、長さ25cmほどのパスタです。
スパゲッティもロングパスタの一種となります。
ロングパスタにはスパゲッティの他にも、麺の太さ・形状ごとに大まかな種類に分けられます。
スパゲッティ
ロングパスタのうち、最も一般的なタイプ。
麺の太さは1.5~1.9mmが主流で、形は円形。
太さにより茹で時間やマッチするパスタソースも変わります。
日本食品基準では麺の太さは「1.2~2.5mm」と定義されていますが、実は麺の太さごとに
- ヴェルミチェッリ:2.04~2.18mmほど
- スパゲッティ:1.8mmほど
- スパゲッティーニ:1.6~1.7mmほど
- フェデリーニ:1.4~1.5mmほど
- カッペリーニ:1.0~1.2mmほど
と、いちいち名前が違うのが特徴です。
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麺の太さが1.0~1.2mmほどの細いタイプ。
スープパスタなど汁気が多いパスタソースに合わせるパスタです。
イタリア語では『ヴェルミチェッリ(vermicelli)』と読み、英語・日本語とは違いスパゲッティよりも太い麺(2mm以上)という意味を持ちます。
細いパスタという意味では、日本では「カッペリーニ」の方が有名ですね。
髪の毛(capelli)ほどの細さ、という比喩からカッペリーニ(capellini)と名付けられています。
フェットチーネ(タリアテッレ)
平麺状のパスタで、クリームソースなど濃厚なソースとの愛情が抜群です。
幅は5~10mmほど、薄いうどんのような感覚です。
日本では「フェットチーネ(fettuccine)」という名前が有名ですが、本当は「タリアテッレ(tagliatelle)」の方が一般的な名称とのこと。
※フェットチーネは一部地域で使用されている名称とのことです。
リングイネ
楕円形の断面を持つパスタです。
名前はイタリア語で『小さい舌(linguine)』という意味を持ちます。
短径が1mm、長径が3mmほどであるのが一般的、乾麺が多い種類です。
平麺なのでソースがからみやすく、しっかり味のソースとの相性が抜群です。
ショートパスタ
名前の通り短いパスタである「ショートパスタ」。
形や食べ方のバリエーションが広いことが何よりの特長です。
そんなショートパスタの中でも代表的なものをご紹介していきます。
マカロニ
ショートパスタの代表とも言える「マカロニ(macaroni)」。
パスタソースをかけるだけでなく、サラダやグラタンにも活用される便利な食品ですね。
円筒状で中心部に穴が空いていて、ムチムチとした食感が特徴。
穴が空いているので茹で時間が短く、調理が簡単なのが嬉しいポイントです。
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マカロニと同じように円筒状で中心に穴が空いている「ペンネ(penne)」。
ほぼマカロニと同じように見えますが、マカロニと違い両端が鋭く斜めにカットされているのが特徴です。
斜めにカットされた断面からソースが入りやすいため、ペンネはロングパスタのようにパスタソースと和えて食べられるのが一般的。
リガトーニ
リガトーニ(rigatoni)は、マカロニよりも太く、分厚い生地が特徴のパスタです。
表面に筋が入っていて、ソースがからみやすいのが特徴。
ファルファッレ
ファルファッレ(farfalle)はイタリア語で「蝶」という意味。
蝶の形をした可愛らしいパスタです。
コンキリエ
コンキリエ(conchiglie)はイタリア語で「貝」を表す言葉。
貝の形をした面白いパスタです。
英語で同じ貝という意味の「シェル」と呼ばれることもあります。
フリッジ
らせん状のパスタ。
フリッジ(fusilli)という名前以外にも「カール(curl)」と呼ばれることも。
日本ではサラダとして使われることが多いかもしれません。
【まとめ】パスタ・スパゲッティの違いと種類
- スパゲッティはパスタの種類の1つ
- 日本の食品表示基準におけるスパゲッティは『1.2mm以上の太さの棒状又は2.5mm未満の太さの管状に成形したもの』
- パスタは大きく「ロングパスタ」と「ショートパスタ」に分けられる
スパゲッティはパスタの一種。
何となくスパゲッティ=パスタと思っていたので、認識違いに冷や汗をかきました・・・。
また、パスタにこんな細かく種類があるのも驚きです。
パスタソースや料理ごとに適したパスタを選び、美味しいパスタを楽しみましょう♪