前回の記事で抹茶(まっちゃ)の基本についてまとめてみました。
今回は抹茶の健康効果について掘り下げていきます。
抹茶にはどんな栄養がどのくらい含まれるのか?
豊富な抹茶の栄養から期待できる健康効果についても詳しくご紹介します。

抹茶は緑茶よりも健康的?その理由とは
まず、そもそも「抹茶」とは緑茶の茶葉を細かく砕いたもの。

茶葉を細かく砕いている抹茶は、茶葉を煮出す煎茶と違い、茶葉を丸ごと頂けます。
そのため抹茶は茶葉に含まれる栄養を余すことなく、全部摂取できるのが特徴です。
また、パウダー状なので料理にも使いやすいというメリットを持ちます。
つづいて、そんな抹茶の栄養価を表でまとめてみます。
【表で確認】抹茶の栄養価
抹茶100gあたりの栄養価をまとめます。
また、抹茶は1杯あたり1.5~2gほどを目安に飲まれます。
そこで抹茶1杯を2gと定め、1杯分の栄養価も合わせてまとめていきます。
<基本>抹茶の栄養価
抹茶100g・2gあたりの栄養価です。
栄養素 | 100gあたりの含有量 | 1杯・2gあたりの量 |
---|---|---|
エネルギー | 237kcal | 5kcal |
水分 | 5.0g | 0.1g |
たんぱく質 | 29.6g | 0.6g |
脂質 | 5.3g | 0.1g |
炭水化物 | 39.5g | 0.8g |
食物繊維 | 38.5g | 0.8g |
抹茶100gは、1杯あたり2hgとすると50杯分となります。
そのため、栄養価のうちエネルギーやたんぱく質、炭水化物はいずれも高め。
しかし意外なことに抹茶は全成分のうち3割弱(29.6g)がたんぱく質と高たんぱくな食品であることが分かりました。
また、脂質は5.3gと少なめ。
炭水化物は100gあたり39.5gと4割弱という多さですが、注目すべきは「食物繊維」の量。
抹茶の食物繊維は100gあたり38.5gと、ほぼ炭水化物と変わらないくらい含まれています。
炭水化物は糖質と食物繊維を合わせた成分。
つまり糖質は炭水化物39.5gから食物繊維38.5gをマイナスした1.0gとなり、とても低糖質な食品であることが判明しました。
<ビタミン>抹茶の栄養価
抹茶100g・2gあたりに含まれるビタミンです。
栄養素 | 100gあたりの含有量 | 1杯・2gあたりの量 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 29000μg | 580μg |
ビタミンB1 | 0.60mg | 0.01mg |
ビタミンB2 | 1.35mg | 0.03mg |
ナイアシン | 4.0mg | 0.1mg |
ビタミンB6 | 0.96mg | 0.02mg |
葉酸 | 1200μg | 24μg |
ビタミンC | 60mg | 1mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 28.0mg | 0.6mg |
抹茶はビタミンがとても豊富です。
まず、βカロテンは100gあたり29000μgと規格外の多さ!
野菜のうち100gあたり600μg以上のβカロテンを含むものは「緑黄色野菜」と呼ばれます。
抹茶は野菜ではありませんが、野菜だったら圧倒的なまでのβカロテン量!
身体の中でビタミンAに変換されるβカロテンは、高い抗酸化作用や目の保護、粘膜の保護などの健康効果が期待できます。
また、その他のビタミンB群・Eもバランス良く含まれるのが特徴ですね。
<ミネラル>抹茶の栄養価
抹茶100g・2gあたりのミネラルの数値です。
栄養素 | 100gあたりの含有量 | 1杯・2gあたりの量 |
---|---|---|
ナトリウム | 6mg | 0.1mg |
カリウム | 2700mg | 54mg |
カルシウム | 420mg | 8mg |
マグネシウム | 230mg | 5mg |
リン | 350mg | 7mg |
鉄 | 17.0mg | 0.3mg |
亜鉛 | 6.3mg | 0.1mg |
銅 | 0.60mg | 0.01mg |
1杯あたりでは豊富とまではいかないものの、抹茶にはミネラルもバランス良く含まれます。
特にカリウムは1杯・2gあたりでも十分多いと言える量。
ナトリウムの排出や利尿作用、むくみ解消に効果があるカリウムは夏にピッタリ!
抹茶に夏のイメージはありませんが、栄養補給としてピッタリな食品だと分かりました!
抹茶に含まれるその他の栄養素について
抹茶には↑にて説明した基本の栄養素以外にも、数多くの素晴らしい栄養素が含まれます。

そんな抹茶に含まれるその他の栄養素についてまとめました。
カテキン
お茶といえば「カテキン」が有名ですよね。
しかし、名前は知っているもののどんな働きがあるのか、意外と知らないですよね?
カテキンはポリフェノールの一種で、お茶の渋味成分。
抹茶をはじめお茶には独特の渋味を感じますが、あの渋味こそカテキンによるものです。
そんなカテキンには高い抗酸化作用があります。
「抗酸化作用」とは、身体を錆びさせ老化を促進する活性酸素を除去する働き。
つまり、抹茶には老化を食い止める効果が期待できます。
また活性酸素は増えると動脈硬化や糖尿病などのリスクを増加させるというデメリットがあり、抗酸化作用によってこれら生活習慣病のリスク低下にもつながります。
そのほか殺菌作用や虫歯の予防にも効果があります。
お茶のカテキンはダイエットにも効果的?
お茶に含まれるカテキン・茶カテキンは、近年『体脂肪を減らすことをサポートする』などの働きから様々な商品が販売されています。
このうち、伊藤園が販売する機能性表示食品の「濃い茶」シリーズには『ガレード型カテキン』というカテキンが含まれます。
この『ガレード型カテキン』の届出表示は
ガレート型カテキンには、食事の脂肪の吸収を抑えて排出を増加させることにより、BMIが高めの方の体脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らし、BMIを改善する機能があることが報告されています。
Amazon.co.jp 伊藤園 おーいお茶 さらさら濃い茶 粉末 [機能性表示食品] チャック付き袋タイプ 80g
とのことで、脂肪の吸収を抑える&脂肪の排出をサポートする働きが認められています。

抹茶がダイエットにも効果的だなんて、知らなかったですね・・・。
テアニン
アミノ酸の一種である「テアニン」にはリラックス効果があるとされています。
テアニンは日光に当てずに育った茶葉に多く含まれるとされ、いわゆる高級茶「玉露」に多く含まれます。
そのため玉露の茶葉を細かく砕く抹茶にはこのテアニンが豊富に含まれます。
また、テアニンはアミノ酸の一種なので、お茶のうま味を形成する成分の1つでもあります。
テアニンが多く含まれれば含まれるほど、深い濃い旨みが味わえるお茶と言うことですね。
そんなテアニンのリラックス効果は多岐に亘り、
- ストレスの改善
- 睡眠の質向上
- 月経前症候群(PMS)の緩和
などに効果が期待できるとのこと。
抹茶が持つあの豊かな味わいにはこんな素晴らしい効果があったのですね。
カフェイン
コーヒーに含まれるイメージが強い「カフェイン」は、抹茶をはじめお茶類にも多く含まれます。
カフェインといえば眠気覚まし。
脳の神経を興奮させる覚醒作用があるため、眠気防止や集中力アップに効果が期待できます。
そのため、朝の起き抜けにお茶を一杯飲むと眠気が覚めやすくなり、頭がスッキリします。
しかし、カフェインには中毒性があり、摂取上限も定められているため飲み過ぎには注意が必要です。
抹茶は100gあたり3.2gものカフェインが含まれており、1杯・2gあたりでは64mgとなります。
ちなみにコーヒーは1杯あたり90mgほどとなります。
カフェインの摂取上限は1日あたり400mg以下なので、抹茶だけなら一日あたり6杯はOK。
抹茶やコーヒーを一日に何杯もガブ飲みしなければ、カフェインの摂取上限を超えることは少ないため、そこまで気にする必要はないでしょう。
【まとめ】抹茶の健康効果は確かにスゴい!
- 抹茶はとにかく栄養価が豊富
- しかし1杯あたりの量は2gと少量であるため効果は限定的
- カテキン・テアニン・カフェインなども多く含まれる
ここまで、抹茶が持つスゴい健康効果についてまとめました。
オシャレながら歴史が深い飲み物、というイメージの抹茶にこんな素晴らしい健康効果があるとは知らなかったです・・・。
眠気覚ましにも、リラックスにも効果が期待できる抹茶はメンタルへするにもオススメ。
ぜひ心と身体、両方の健康のためにも抹茶を活用していきましょう。

