冷蔵庫の「各部屋の温度」と「入れるべき食品」、さらに冷蔵庫外で保存するときの注意点についてまとめました。
大きなスペースから小部屋まで、いくつかの部屋に分かれる冷蔵庫。
そんな冷蔵庫は部屋ごとに温度や入れるべき食品が違います。
また、冷蔵庫以外を保存場所とする「常温保存」や「冷暗所保存」などの食品もありますが、冷蔵庫以外ならどこでも良いというわけではありません。
今回は、そのような冷蔵庫・冷蔵庫以外の食品保存についてまとめてみました。
冷蔵庫の「部屋別」温度とは?
冷蔵庫と一口に言っても、庫内の部屋によって温度は大きく異なります。

まずは、そんな冷蔵庫内の部屋の温度を一覧でまとめてみます。
冷蔵室 | 2~6℃ |
チルド室 | 0~2℃ |
パーシャル室 | -3℃ |
野菜室 | 3~8℃ |
冷凍室 | -18℃以下 |
ここからは、一覧の庫内の部屋を1つずつ説明していきます。
冷蔵室:2~6℃
冷蔵庫のうち「冷蔵室」は、一般的に冷蔵庫の中で最も大きなスペースを占める部屋です。
縦に2~4段に分かれ、毎日使用するような、あらゆる食品を入れる部屋といったイメージですね。
正面のスペースの他に、ドアポケットにも収納できるのもポイント。
部屋の温度が2~6℃と幅があるのは、冷蔵庫の設定により『弱』『中』『強』と変えられるタイプが多いからです。
それぞれの設定の温度は『中』が4℃ほどと中間で、『弱』が6℃ほど、『強』が2℃ほどが目安。
特にこだわりがなければ『中』をキープし、夏場など冷蔵を強化したい場合は『強』にするなど使い分けてみるのも良いかもしれません。
チルド室:0~2℃
冷蔵庫のうち「チルド室」は冷蔵室の一画にあることが多い小さなスペースです。
冷蔵室よりも低い0~2℃で保存できる部屋となります。
食品が凍り始める寸前、凍らないギリギリの温度で保存できるため傷みやすい生ものなどの食材を保存するのに適しています。
加熱前のお肉や魚、消費期限が短い加工食品などを入れるスペースにするのがオススメです。
パーシャル室:-3℃
冷蔵庫のうち「パーシャル室」は冷蔵室の一画にある小さなスペースです。
前項の「チルド室」と似ていますが、その違いは温度。
氷点下まではいかないチルド室(0~2℃)に対し、パーシャル室は-3℃と氷点下となります。
つまり、食品や水分は凍り始める温度です。
パーシャル室にて保存された食材は表面など一部が凍結状態になるため、食材の鮮度を高い状態でキープできるといったメリットがあります。
また、完全に凍るわけではないため解凍する手間がなく、パーシャル室から取り出しそのまま料理に使用できるのも特徴の1つ!
加熱前のお肉や魚など傷みやすく鮮度が落ちやすい食材や、カットなどの下ごしらえをした野菜などを保存するのにピッタリの部屋となります。
しかし「パーシャル室」って聞き慣れない・・・
「パーシャル室」と言われても、正直、聞き慣れない名前ですよね。
メーカーごとに異なりますが、パーシャル室は『半凍結』や『氷温』、『微凍結』といった名前が付いている場合があります。
比較的、新しい機能なので、冷蔵庫を買い換える予定があるときは、この「パーシャル室」にも注目してみましょう。
野菜室:3~8℃
冷蔵庫のうち「野菜室」は多くが一番下、最近では真ん中の引き出しにある部屋です。
文字通り『野菜』の保存に適したスペースで、その温度は3~8℃とちょっと高め。
野菜の種類にもよりますが、野菜は温度が低すぎるとかえって傷みやすくなるものもあり、温度設定が他の部屋よりも高くなっています。
また、野菜室は野菜(特に葉物野菜)の鮮度を保つため湿度が高めなのもポイント。
野菜の他には果物・米なども保存に向いています。
冷凍室:-18℃以下
冷蔵庫のうち「冷凍室」は多くが真ん中の引き出し、近年は一番下の引き出しにある部屋です。
食材・食品を凍結して保存するスペースで、冷凍食品やアイス、冷凍保存したい食材などが保存できます。
温度は最高でも-18℃、大抵は-20℃ほどとなります。
-18℃以下に設定されているのは、-18℃以下から多くの微生物が生息・増殖できなくなるため。
食品が腐敗せず、長期的に保存できる温度として設定されているのですね。
【まとめ】冷蔵庫の部屋別保存場所
食品のオススメの保存場所を部屋別にまとめます。
<おまけ>「予冷品」って何なのか?
小松菜やほうれん草などの青菜のパッケージに書かれた「予冷品」という文字、見たことありませんか?
冷蔵でもなく冷凍でもなく「予冷(よれい)」とは一体・・・。
と思って調べてみたところ、この「予冷」とは↓のような意味になります。
青果物の貯蔵や出荷の前に鮮度保持のために、あらかじめ冷却すること。
コトバンク
予=あらかじめ。
つまり、販売前に前もって冷却し、鮮度を長持ちさせる技となります。
具体的に説明すると、野菜などを3~5℃ほどに冷却し野菜の呼吸・蒸散を防ぐこととなります。
わたしたち消費者は野菜に「予冷品」と書かれていても特別なことをする必要はありません。
むしろ、鮮度を保つ技が使われているので、「予冷品」ではない他の野菜よりも長持ちしやすいというメリットがあります。

「予冷品」って見慣れない言葉が書かれていたから、何か特別なことをしなくちゃ!って思ってたけど、何もしなくていいんだね。安心したよ。
冷蔵庫以外の保存場所について
食品のなかには、冷蔵庫以外の場所での保存が適している場合もあります。
↓の画像は軒下に吊り下げられた玉ねぎです。

いわゆる「常温保存」や「冷暗所保存」の食品たちのことですね。
これら常温保存・冷暗所保存の特徴と注意点についてまとめます。
常温保存は○~○℃まで
「常温保存」の温度は15℃前後~30℃未満までが目安となります。
この「常温保存」は食品衛生法にて明確な規定がなく、企業・メーカーによって想定の温度が異なります。
『温めたり冷やしたりしない温度』や『夏場の外気温を超えない温度』などと表現されますが、大抵は30℃を下回る温度での保存が求められます。
また、常温保存OKの食品でも、そのほとんどが『開封後』は冷蔵保存に切り替えるよう表示されています。
醤油や料理酒、みりんやチューブ入りなどの調味料は一度封を開けたら冷蔵保存が基本です。
食品に「直射日光が当たる」デメリットとは?
常温保存の食品の注意書きには、よく「直射日光を避け、~」といった文章が書かれていますよね?
これは日光が直接当たることで、食品そのものや食品が入る袋が温まり、変質したり劣化したりするのを防ぐため。
温度が低いところに置かれていても、日光が当たることで温度が急上昇してしまうので、避けるべきということですね。
冷暗所とは?温度や環境をチェック
「冷暗所」とは、温度が一定で低く保たれた場所のこと。
常温のうち、特に涼しい場所のこととなります。
この「冷暗所」は、
- 温度は15℃以下
- 風通しが良く、湿度が低い
- 直射日光が当たらない
といった3つの条件を満たしていることが求められます。
家庭の中では『床下収納』や『物置小屋の奥』など。
ただ、秋から冬、春先にかけてはともかく、夏場は一日中エアコンを点けっぱなしにしていても15℃以下の気温にはなりません。
そのため、夏場は冷暗所保存の食品でも「冷蔵庫」の冷蔵室へ入れて保存するのがオススメです。
【まとめ】冷蔵庫以外の保存場所
冷蔵庫以外の保存場所についてまとめます。
ここまで、食品保存の基本についてまとめました。
しっかり調べてみると目から鱗の情報ばかりで勉強になりました。
この冷蔵庫・冷蔵庫以外の食品の保存法について、ぜひ参考にしてみてくださいね。