食べても美味しいけど出しにしても美味しい!そんな煮干し出汁の取り方です。
煮出し・水出しでの出汁の取り方を詳しくまとめています。
さらに、そもそも「煮干し」って何の魚?やうま味成分は?という疑問も解消していきます。
煮干し出汁の取り方
煮干し出汁の取り方をまとめます。

まずは材料・分量から。
材料 | 分量 |
---|---|
煮干し | 15g |
水 | 500ml |
水に対する煮干しの分量は3%、これは水の量が多くなっても変わりません。
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また、出汁を取った煮干しを漉すため、布巾orキッチンペーパー、ザル、ボウルを順に重ねたものを用意しておくとスムーズです。
- 煮干しの処理
- 頭を取り、半分に裂いてはらわたも取り除く
- 鍋に水と処理済みの煮干しを入れ、そのまま1時間ほど浸けておく
- 鍋を弱めの火にかけ、煮立ったら弱火にする
- 沸騰させない程度の湯加減を保つ
- そのまま5分ほど煮出す
- アクは丁寧に取り除く
- 布巾orキッチンペーパーの上から鍋の中身を注ぐ
- 自然と出汁が落ちるのを待つ
頭とはらわたを取り除くのは雑味・エグ味を出さないため。
煮干し出汁=苦いというイメージがある方は、一度『頭・はらわたを取り除く』処理を行ってみるとイメージが変わるかもしれません。
煮干しを水に浸ける時間があるので、調理時間は1時間15分ほどかかります。
時間に余裕を持って作り始めるようにしましょう。
また、煮干し出汁の取り方は、あらかじめ水に浸しておき沸騰する前に取り出す「昆布出汁の取り方」と似ています。
ただし、昆布出汁と違い、煮立った後も煮干しを入れ続けるのでご注意ください。
煮干し出汁を『水出し』での取り方
煮干し出汁は『水出し』でも取ることができます。
煮出しよりも水出しの方が雑味・エグ味が出にくいにで、繊細な料理にオススメ。
そんな水出しの材料・分量はこちら。
材料 | 分量 |
---|---|
煮干し | 25g |
水 | 500ml |
水出しの場合、煮干しの分量は水に対して5%に増量させます。
続いて、水出しでの煮干し出汁の取り方工程です。
- 容器に煮干し・水を入れ、冷蔵庫で一晩浸けておく
- 一晩経ったら、容器から煮干しのみを取り出す
水出しでの煮干し出汁の取り方は↑だけでOK。
また、水出しした後に煮干しを入れたままor煮干しを取り除いた後に加熱する、という方法もあります。
水出ししただけでも十分に出汁が出ますが、一度沸騰させることで生臭さが飛ぶというメリットも。

加熱料理に使用するときは、わざわざ沸騰させる必要はなさそうですね。
水出しは煮出しよりもエグ味・雑味が出にくいため、頭・はらわたを取り除く必要はありません。
煮干しの下処理が必要ない手間のなさも水出しの魅力ですね。
煮干し出汁の保存について
煮干し出汁は必ず冷蔵庫で保存し、その保存期間は長くて3日ほどとなります。
冷凍では、品質が劣化するので3週間以内に使い切るのがオススメです。
出汁を取った後の煮干しは?
出汁を取った後の煮干しはそのまま食べられます。
取った出汁を味噌汁に使用する場合は、他の具材を煮た後に戻せば具材の1つになります。
また、甘辛く煮た佃煮や砕いてふりかけにするなど活用法はさまざま。
カルシウムや鉄分など日本人に不足しがちな栄養素が豊富なので、できるだけ出し殻も食べるのがオススメです。
つづいて、ここまで出汁の取り方をご紹介してきた「煮干し」とは、そもそもどんな食品なのか?についてまとめていきます。
そもそも「煮干し」とは?魚の種類は?
煮干しとは、小魚を煮て干した水産加工品です。(Wikipediaより)

ビックリするくらいストレートなネーミングです。
煮干しに使われる小魚としてもっともポピュラーなのはカタクチイワシ。
その他にもマイワシ、ウルメイワシ、キビナゴ、トビウオ(アゴ)などの魚が使用されます。
「炒り子」との違いは?
煮干しとよく似た食品である「炒り子」。
この炒り子と煮干しに違いはなく、同じものです。
炒り子は西日本を中心に使われている名称で、主にカタクチイワシを煮て干した水産加工品です。
また、西日本からの移民が多いアメリカ・ハワイでも煮干しを「炒り子」と呼ぶ文化があるとのこと。
そんな炒り子は大きさによって名称が変わることもあります。
- カエリ:3~4cm
- 小羽(こば):4~6cm
- 中羽(ちゅうば):6~8cm
- 大羽(おおば):8cm~
8cm以上の炒り子って、中指くらいの長さがあるので相当大きいですよね・・・。
また、3cm未満の小魚は『ちりめん(しらす)』と呼ばれ、炒り子には含まれません。
サイズで変わる!煮干しの選び方
煮干しは大きさによって出汁の味わいが変わります。
1匹あたりのサイズが小ぶりな煮干しの方があっさりしていて、大きめなサイズはこってりとした強い風味になります。
この大きさによる味わいに違いが出るのは、含まれる脂肪の量が異なるため。
大きければ大きいほど煮干し1匹あたりに占める脂肪の量が増え、その分コクがありこってりした味わいに。
小さい煮干しは脂肪が占める部分が少ないので、そのぶんあっさりと淡白な味わいになります。
コクがある大きめの煮干しは煮物や麺類の出汁に、あっさりした小さめの煮干しは味噌汁や素材の風味を活かした煮物などに使用すると良いでしょう。
選んではいけない煮干しとは?
小魚を加工する煮干しは、どうしても1匹ずつで品質に差が出てしまいます。
そんな煮干しの善し悪しをチェックする方法をまとめてみます。
- 傷がないこと
- 最低限ですが、煮干し全体に傷がないキレイなものが良いです。割れた部分からうま味・栄養素が逃げ出してしまいます。
- お腹が割れていないこと・お腹側が盛り上がっていないこと
- お腹側が盛り上がっていると、裂けやすくなります。傷と同じで、割れた部分からうま味・栄養が逃げ出してしまいます。
- 変色がないこと
- 黄色・茶色に変色しているものは、煮干しに含まれる脂肪酸が劣化しているため。変色した煮干しは臭みが強く出てしまうので使用は控えましょう。
煮干しのうま味成分とは?
出汁を取る、ということは煮干しにはうま味成分がたっぷり含まれていると言うこと。
そんな煮干しのうま味成分は核酸系のイノシン酸です。
イノシン酸は出汁としても有名な鰹節や、肉・魚類など動物性たんぱく質が多い食品に含まれるうま味成分。
核酸系とは別のアミノ酸系うま味成分・グルタミン酸との組み合わせで「うま味の相乗効果」が得られます。

グルタミン酸が多く含まれるのは『昆布』や『トマト』、『チーズ』などの食品です。
煮干し出汁単体でも美味しい出汁が取れますが、より美味しい出汁を目指すなら昆布と煮干しの合わせ出汁に挑戦するのもアリですね。
【まとめ】煮干し出汁の取り方
- 煮干しは煮出し・水出しどちらもできる
- 水に浸し、弱めの火でじっくり煮出すのがポイント
- そもそも煮干しとは小魚を煮て干した水産加工品で、別名は「炒り子」
- 大きいものはこってり、小さいものはあっさりした味わい
- うま味成分は鰹節と同じイノシン酸
ここまで、煮干し出汁の取り方や基本をまとめました。
水出しでもできるというのは手間がなくて良いですね。
出汁を取るときはできるだけ頭とはらわたを取り除くようにすると、雑味のないスッキリした出汁が取れます。
ぜひお試しください♪
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