春に旬を迎える貝・アサリ。
アサリは料理の前に下処理として「砂抜き」をする必要があります。
そのアサリの砂抜きには基本とも言える「塩水」に浸ける方法、時短法として注目される「お湯」に浸ける方法といった2種類の方法があります。
2種類の砂抜き・塩水とお湯の方法や注意点を画像付きで詳しくまとめました。
さらに、新鮮なアサリの見分け方や、アサリの酒蒸しの簡単レシピも合わせて紹介します。
アサリの砂抜きに用意するもの
アサリの砂抜きに用意するものは「バット」です。
ボウルでもOKですが、重要なのは浸けているときにアサリ同士が重なり合わないこと。
アサリ同士が重なっていると、貝の重さで口が開きにくくなってしまいます。
実際にわたしが行ったところ、200gのアサリなら4号バット(縦が約27cm)で余裕がありました。
また、砂抜きをしているとき、アサリは砂とともに口から水を噴き出します。
アサリが水を噴き出す勢いは強く、また噴き出す水はキレイではないため、そのままにしていると周囲が汚れてしまいます。
よって、砂抜きの最中は新聞紙やアルミホイルなど汚れてよいものを上にふんわり被せておくと良いでしょう。
ラップなどをピッチリかけるとアサリが酸欠を起こし死んでしまうため、空気が通るようにします。
【基本】アサリの砂抜き~塩水編~
塩水を使う基本のアサリの砂抜きです。
用意するものは「アサリ」と「水」、「塩」の3つのみ。
スーパーで売られているアサリは1パックあたり200~300gほど。
水と塩はアサリの量により調節します。
塩水は塩分濃度に注意
重要なのは「塩分の濃度」です。
塩分濃度の目安は3%となります。
3%の塩分濃度とは
- 水1リットルに対し塩・30g(大さじ2)
- 水500mlに対し塩・15g(大さじ1)
- 水300mlに対し塩・9g(小さじ2強)
となります。
我が家にあった4号バット(縦が約27cm)ではアサリ200gに水500mlがちょうど良かったです。
塩分濃度3%は海水とほぼ同じ塩分濃度となり、アサリにとって心地よい環境です。
安心すると、アサリは砂を噴き出しやすくなります。
砂抜きの工程をチェック~塩水編~
- アサリをバットに並べる
- 3%の塩分濃度に混ぜておいた塩水を注ぐ
- アサリが少し出るくらいの水量(ひたひた)を意識する
- 新聞紙orアルミホイルでフタをする
- アサリは呼吸するため、空気穴を確保する
- そのまま1時間ほど置く
- 夏でなければ常温がオススメ
- 夏は冷蔵庫で砂抜きをした方が安心です
- アサリをボウルに移し、殻と殻をこすり合わせゴリゴリ洗う
- 洗い終わったらできるだけすぐに料理へ使う
以上がアサリの砂抜き工程です。
注意が必要なのは、水はアサリが水面から少し出るくらいの量にすること。
アサリは生きているため呼吸をします。
塩水をしっかり被ってしまうと、アサリが酸欠を起こすリスクがあるため、呼吸しやすいように水の量はひたひたにしましょう。
また、冷蔵庫で砂抜きすると、水温が冷たくなりアサリが仮死状態になる可能性があるため、暑い夏場以外は常温で砂抜きを行うのがオススメです。
他の料理をしながら1時半ほど砂抜きをしましたが、ジャリッとせずしっかり砂抜きできていました!
【時短】アサリの砂抜き~お湯編~
お湯を使ったアサリの塩抜き方法です。
お湯を使う方法では、水温の変化によりビックリしたアサリが激しく水を出し入れすることで、体内にため込んだ砂を一緒に吐き出す、という性質を利用しています。
お湯に浸ける時間は15分ほどと短い時間で済むのが何よりの魅力です。
ただし、注意点が1つ。
お湯の温度に気を付ける
浸けるためのお湯の温度は「約50℃」となります。
「50℃のお湯」ってどうすれば良いのだろう・・・。うちに水温計がないんだけどな。
水温計がなくても大丈夫!お湯と水を上手く混ぜれば大体50℃になります。
50℃のお湯の作り方は「沸騰したお湯」と「水」の比率を1:1で混ぜるだけ。
例えば、沸騰したお湯・200mlと水道水・200mlを混ぜればOKです。
50℃は結構熱いので、混ぜるときは手ではなく菜箸などを使用しましょう。
砂抜きの工程をチェック~お湯編~
- 50℃のお湯を作る
- バットにアサリを並べ、お湯を注ぐ
- アサリが少し出るくらいの水量(ひたひた)を意識する
- 新聞紙orアルミホイルでフタをする
- アサリは呼吸するため、空気穴を確保する
- そのまま15分ほど置く
- アサリをボウルに移し、殻と殻をこすり合わせゴリゴリ洗う
- 洗い終わったらできるだけすぐに料理へ使う
注意が必要なのは、やはりお湯の温度。
あまり熱すぎるとアサリに中途半端に火が通ってしまいます。
また、塩水での方法と同じく、水の量はアサリが少し出るくらいのひたひたを意識しましょう。
新鮮なアサリの見分け方
ここからは新鮮なアサリの見分け方をまとめます。
アサリは貝の口が開いていないものは生きているため新鮮です。
また、少し口が開いていても、ツンと突っつき口を閉じれば大丈夫。
けれども、突っついても口が閉じないアサリ、反応がないアサリは死んでいます。
生物は死んだら腐敗が始まってしまうため、死んだアサリは新鮮ではありません。
さらに、加熱した後に口が開かないアサリも注意。
加熱前から死んでいたアサリは腐敗している可能性があるため速やかに捨てましょう。
アサリは腐敗が速いため死んでいたアサリは絶対に捨てましょう。
【簡単レシピ】アサリの酒蒸しの作り方
最後は、砂抜きをしたアサリの活用法として「アサリの酒蒸し」レシピを紹介します。
砂抜きをしておけば、アサリの酒蒸しは5分もかからずあっという間にできます。しかも美味しいです。
アサリの酒蒸し<2~3人分の材料>
- アサリ:あるだけ ※目安は200~300g
- 酒:大さじ2ほど
- 生姜の千切り:お好み
量はいずれも目安です。
アサリに塩気があるため、調味料を加える必要はありません。
アサリの酒蒸し・作り方
- アサリと生姜をフライパン・鍋などに入れる
- 酒を回しかけ、フタをして強火にかける
- 沸騰したら1分ほどそのままにする
- アサリの貝が全て開いたらフタを開け、少し煮詰める
必ずアサリの貝が全て開ききってから火を止めましょう。
生ものなのでしっかり火を通すことが重要です。
他のアサリの貝が開いているのに、貝が開かないアサリは死んでいるため取り除きます。
ここまで「アサリの砂抜き」についてまとめました。
ジャリッという感触はせっかくのアサリの美味しさを台無しにします。
アサリを美味しく食べるべく、アサリの砂抜きを完璧に行いましょう!