キャベツには「紫キャベツ」という紫色をした色違いがあります。
鮮やかな紫色の紫キャベツですが、どうして紫色なのでしょう?
そんな紫キャベツが紫色の理由を探るとともに、紫キャベツとキャベツの違いを
- 旬
- 栄養
から調査してみました!
「紫キャベツ」とは
紫キャベツはキャベツの品種の1つで、鮮やかな赤紫色の葉が特長です。

日本では「紫キャベツ」という名前が主流ですが、英語で表記すると『red cabbage』、つまり「赤キャベツ」となります。
そのため、日本でも「赤キャベツ」という名前で販売されることがありますが、基本的に紫キャベツも赤キャベツも同一の品種です。

紫キャベツと赤キャベツは同じ品種なんだね。
紫キャベツの紫色の正体
紫キャベツの紫色の正体はアントシアニンという色素です。
アントシアニンは紫キャベツのような紫色を出す色素で、ポリフェノールの一種となります。
- ブルーベリー
- なす
- ぶどう
- サニーレタス
- パープルカリフラワー
- パープルアスパラガス
- 紫玉ねぎ

たしかに「ブルーベリー=アントシアニン」というイメージは強いよね!
ポリフェノールには老化の原因となる活性酸素の働きを抑制する『抗酸化作用』があります。
抗酸化作用は生活習慣病の予防・改善などアンチエイジングに欠かせない働きです。
さらに、アントシアニンそのものには
- 視覚機能の改善
- 白内障・緑内障などの眼病予防
- メタボリックシンドロームの予防
- 花粉症予防(ヒスタミンの減少)
という効果が期待できます。

目に関する効果は有名なサプリメントがあるので知ってしましたが、花粉症にも効果的なんて来年は意識的に取り入れたいと思います!
紫キャベツは育った場所によって色が違う?
紫キャベツの紫色の原因であるアントシアニンには『条件によって色・構造が変化しやすい』という特徴があります。
そのうち、紫キャベツの色を大きく左右するのが育った場所。
育った場所(土壌)のpH(水素イオン指数)によって、
- 酸性:赤みが強い
- 中性:紫色が強い
- アルカリ性:青みが強い(黄緑色に近くなる)
と色味が変化します。
また、その特性から、紫キャベツの茹で汁・絞り汁がpH指示薬(酸塩基指示薬)として理科の実験などに使用されます。
※pH指示薬とは、pH濃度により色が変わる色素のこと。天然のリトマス試験紙のようなもの。

わたしは実際この実験をやったことがあります。酸性の物質を入れると赤色になり、アルカリ性の物質を入れると青色に、中性の物質では色は変わりません。入れる物質の濃度により色味が微妙に違うのも特徴です。
【旬】紫キャベツとキャベツの違い
紫キャベツとキャベツの旬の違いです。
と、いいたいところですが、紫キャベツもキャベツも1年を通して出荷される通年野菜です。

ただし、紫キャベツは産地によって栽培・収穫時期が異なるのが特徴。
大まかに
- 春に種をまき、夏に収穫する「春撒き」
- 晩夏~秋に種をまき、秋~冬に収穫する「秋撒き」
の2種類に分けられます。
紫キャベツは寒い環境が好きなので、栽培の中心は秋・冬・春なのですね。
また、キャベツにも特定の旬はありませんが、その収穫時期から
- 春キャベツ
- 夏秋キャベツ
- 冬キャベツ
の3つに分けられます。

1年を通してスーパーなどで見かけることが多いのは「冬キャベツ」です。
【栄養】紫キャベツとキャベツの違い
紫キャベツとキャベツの栄養の違いを表にしてまとめました。

表は「基本」「ビタミン」「ミネラル」に分けています。
<基本>紫キャベツとキャベツの栄養の違い
まずは基本の栄養素から紫キャベツとキャベツの違いを見ていきます。
栄養素 | キャベツ | 紫キャベツ |
---|---|---|
エネルギー | 21kcal | 30kcal |
水分 | 92.7g | 92.4g |
たんぱく質 | 1.3g | 2.0g |
炭水化物 | 5.2g | 6.7g |
食物繊維 | 1.8g | 2.8g |
水溶性食物繊維 | 0.4g | 0.6g |
不溶性食物繊維 | 1.4g | 2.2g |
脂質 | 0.2g | 0.1g |
基本の栄養素を比べると、紫キャベツの方が食物繊維が豊富に含まれていることが分かります。
- キャベツの食物繊維:1.8g
- 水溶性食物繊維:0.4g
- 不溶性食物繊維:1.4g
- 紫キャベツの食物繊維:2.8g
- 水溶性食物繊維:0.6g
- 不溶性食物繊維:2.2g
また、その分炭水化物の量も紫キャベツの方が多く含まれていますね。
- キャベツの炭水化物:5.2g
- 紫キャベツの炭水化物:6.7g
ただ、それ以外の栄養素に関しては大きな差はありませんでした。
<ビタミン>紫キャベツとキャベツの違い
つづいて紫キャベツとキャベツのビタミンの違いを見ていきます。
栄養素 | キャベツ | 紫キャベツ |
---|---|---|
βカロテン | 49μg | 36μg |
ビタミンB1 | 0.04mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.03mg | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.11mg | 0.19mg |
葉酸 | 78μg | 58μg |
ビタミンC | 41mg | 68mg |
ビタミンD | 0.1mg | 0.1mg |
ビタミンK | 78μg | 29μg |
表を見ると、キャベツの方が豊富に含まれている成分、紫キャベツの方が豊富に含まれている成分と2分されますね。
- キャベツの方が豊富に含まれる成分
- βカロテン
- 葉酸
- ビタミンK
- 紫キャベツの方が豊富に含まれる成分
- ビタミンB1
- ビタミンB6
- ビタミンC
このうち、特にビタミンKはキャベツの方がより豊富に含まれますね。
- キャベツのビタミンK:78μg
- 紫キャベツのビタミンK:29μg
<ミネラル>紫キャベツとキャベツの違い
最後は、紫キャベツとキャベツのミネラルの違いを見ていきます。
栄養素 | キャベツ | 紫キャベツ |
---|---|---|
ナトリウム | 5mg | 4mg |
カリウム | 200mg | 310mg |
カルシウム | 43mg | 40mg |
マグネシウム | 14mg | 13mg |
リン | 27mg | 43mg |
鉄 | 0.3mg | 0.5mg |
こうして見ても、目立った違いはありませんね。
ただ、カリウム・リンは紫キャベツの方が豊富に含まれることは分かりました。
- カリウムの違い
- 紫キャベツ:310mg
- キャベツ:200mg
- リンの違い
- 紫キャベツ:43mg
- キャベツ:27mg

紫キャベツの方が栄養豊富そうなのに、そこまで差がないんだね。
まとめ
紫キャベツとキャベツの違いをまとめていきます。
- 紫キャベツはキャベツの品種の1つ
- アントシアニンという栄養成分が含まれるため葉が紫色になる
- 旬は紫キャベツ・キャベツいずれも通年
- 栄養価に大きな差はない
色が紫色or緑色と大きく違いますが、紫キャベツとキャベツに大きな違いはありませんでしたね。
サラダの彩りとして重宝される紫キャベツ。
なかなかレアな野菜ですが、今度スーパーで見かけたら手に取ってみたいですね♪