キャベツとキャベツのサイズ違いのイメージがある「芽キャベツ」。
その芽キャベツとキャベツの違いとは何なのでしょう?
芽キャベツ・キャベツの違いを
- 大きさ
- 栽培方法
- 旬
- 名前
- 食べ方
という5つの観点から調べてみました!
意外と違いが大きい?芽キャベツとキャベツの違いについてまとめています。
そもそも「芽キャベツ」とは
「芽キャベツ」とはアブラナ科アブラナ属の一年草です。
アブラナ属のうち、芽キャベツはヤセイカンランという種に分類されます。
キャベツはアブラナ科アブラナ属の『多年草』で、ヤセイカンランの1種となります。
ただし、キャベツは野菜としては1年で収穫されるので、栽培上は一年草として扱われます。
ヤセイカンランとは?
「ヤセイカンラン」とはアブラナ科アブラナ属の野草の名前です。
ヤセイカンランは野草ですが、このヤセイカンランを元に
- キャベツ
- 芽キャベツ
- ブロッコリー
- カリフラワー
- ケール
といった野菜が生まれました。
↑の5つの野菜はすべて分類が『アブラナ科アブラナ属ヤセイカンラン』と、ほぼ同じです。
ヤセイカンランは葉の形・大きさが変化しやすいという性質を持つとのことですが、ここまで様々な形になるのは面白いですよね。
ヤセイカンランのうち、キャベツ・芽キャベツともにヤセイカンランの変種となります。
そんな同じヤセイカンランの変種である芽キャベツ・キャベツの違いをまとめていきます。
芽キャベツとキャベツの『大きさ』の違い
芽キャベツとキャベツでまず目に付くのは、その『大きさ』の違いでしょう。
普通のキャベツのサイズは人の顔ほど。
重さは1玉あたり1kgほど。
一方、芽キャベツは指先でつまめるほど小さい、大きめのスーパーボールほどのサイズです。
重さは1個あたり15gほど。
1個(玉)あたりの重量を比べると、キャベツは芽キャベツの66倍以上になります。
同じ「キャベツ」なのに、どうしてこんなに大きさが違うのだろう?
芽キャベツとキャベツの『栽培方法』の違い
芽キャベツとキャベツは『栽培方法』が大きく異なります。
まず、キャベツは1玉ずつ畑に植えられています。
キャベツの栽培風景は見たことがある方も多いのではないでしょうか?
一方で、芽キャベツは畑で↓のように植えられています。
わたしは今回調べるまで芽キャベツの栽培方法を知らなかったので、この姿は衝撃でした!
普通のキャベツは茎の先端にある『頂芽(ちょうが)』という部分に球を付けます。
しかし、芽キャベツは茎の側面から発芽する『側芽(そくが)』にたくさんの球を付けます。
1本の茎に50~60個もの芽キャベツの球が付くとのこと。すごい数ですね・・・。
また、芽キャベツの中でも
- 60cmほどの小さい品種
- 1m20cmほどの大きい品種
と伸びる大きさに違いがあるとのことです。
芽キャベツとキャベツの『旬』の違い
芽キャベツの『旬』は11~3月ごろの冬の時期です。
低い気温に耐えられる強さを持ち、逆に高温・多湿に弱いため、冬の栽培・収穫に適しています。
一方キャベツは1年を通して栽培される野菜です。
出荷時期によって名前が異なり
- 春キャベツ(新キャベツ):4~6月
- 夏秋キャベツ(高原キャベツ):7~10月
- 冬キャベツ:11~3月
と呼ばれます。
キャベツは1年中スーパーで販売されていますが、芽キャベツが冬~春先にしか売られていないのは旬が理由だったのですね。
芽キャベツとキャベツの『名前』の違い
芽キャベツとキャベツの『名前』の違いをまとめていきます。
芽キャベツはキャベツの「芽」なのか?
芽キャベツとキャベツの『名前』の違い、それは名前に「芽」が付くかどうかですよね。
と考えてしまいます。
けれども『栽培方法』でも説明した通り、キャベツと芽キャベツの違いは
- キャベツ→頂芽
- 芽キャベツ→側芽
と結球する位置でした。
キャベツと比べると小ぶりな芽キャベツですが、小ぶりなまま大きく育ったり、キャベツになったりしません。
つまり芽キャベツはキャベツの「芽」ではありません。
同じヤセイカンランに属する変種の仲間なのでキャベツ≠芽キャベツとなります。
でも、どうして芽キャベツが「芽キャベツ」という名前になったのだろう?
芽キャベツとキャベツの「英語名」の違い
芽キャベツは英語で「Brussels sprouts」と呼ばれます。
- Brussels=ブリュッセル。ベルギーの首都。
- sprouts=植物の新芽。スプラウト。
直訳すると「ブリュッセルの新芽(スプラウト)」となります。
この名前は、芽キャベツの原産地がベルギー・ブリュッセルであることが由来とされています。
また、なぜ「sprout」と名付けられたのかは不明ですが、この「sprout=新芽」から日本語では芽キャベツと訳されたのだろうと推測できます。
ちなみに、キャベツの英語名は「cabbage」。
英語では『頭上の野菜』という意味があり、日本語では読み方そのままで「キャベツ」と呼ばれるようになりました。
芽キャベツとキャベツの『和名』の違い
キャベツの和名は『甘藍(かんらん)』、芽キャベツの和名は『姫甘藍(ヒメカンラン)』・『子持ち甘藍』です。
和名ではキャベツの『甘藍』が基準となっていますね。
芽キャベツでは、そんな『甘藍』に「小さくてかわいらしいもの」という意味を持つ『姫』、鈴なりに球を付けることから『子持ち』と名付けています。
また、ここまで「芽キャベツ」と表記してきましたが、Wikipediaなどでは「メキャベツ」と表記されています。
キャベツの芽ではないので、カタカナの「メキャベツ」の方が正しいかもしれませんね。
芽キャベツとキャベツの『食べ方』の違い
芽キャベツとキャベツの『食べ方』の違いは生で食べられるか否かです。
キャベツは葉が柔らかく・臭みも少なめなので生でも美味しく食べられます。
芽キャベツは基本的には生で食べることは推奨されていません。
その理由は固いため。
小さい分ギュッと詰まった芽キャベツは、生だと食べづらいのがデメリット。
また、アブラナ科特有の青臭さ・アクの強さも生食しづらさの原因です。
芽キャベツの下茹では沸騰したお湯で2分ほど。
火が通りにくい芯に切り込みを入れるとムラなく茹で上がります。
また、芽キャベツは軽く、お湯に浮いてしまうので、茹でる際は菜箸などで混ぜながら行います。
下茹でした芽キャベツはスープ・煮込み料理・炒めもの・サラダなどどんな料理にも使えます。
キャベツと違い丸ごと食べられるのでボリューム感あるおかずに仕上がります。
<まとめ>芽キャベツとキャベツの違い
芽キャベツとキャベツの違いを表でまとめてみます。
<芽キャベツ> | <キャベツ> | |
大きさ(1個あたり) | 15gほど | 1kgほど |
栽培方法 | 側芽に数十個の球を付ける | 頂芽に1個だけ球を付ける |
旬 | 冬 | 通年 |
名前・英語名 | Brussels sprouts | cabbage |
名前・和名 | 姫甘藍・子持ち甘藍 | 甘藍 |
食べ方 | 生食は難しい | 生食OK |
芽キャベツとキャベツの違いをまとめてみると、大きさはもちろん、栽培方法や旬などに大きな違いがあることが分かりましたね。
同じヤセイカンランの変種ではあるものの、違いが大きい芽キャベツとキャベツ。
それぞれの特徴を理解した上で料理に活かしていきたいですね。
「芽」キャベツというくらいだから、芽キャベツはキャベツの芽なのだろう?