2024年1月、農林水産省が2026年度からブロッコリーを「指定野菜」に追加することを発表しました。
この指定野菜への追加は、ジャガイモが加わった1974年以来、実に52年ぶりとのこと。
そもそもブロッコリーが追加となった「指定野菜」とは何なのでしょう?
指定野菜に追加されることで変わることやその影響、そしてブロッコリーの高い栄養価など魅力についておさらいしていきましょう。
ブロッコリーが追加される「指定野菜」とは?
指定野菜とは消費量は多い野菜・消費量が多くなることが見込まれる野菜のことです。

現在、指定野菜として14品目の野菜が定められています。
- キャベツ
- きゅうり
- 里芋
- 大根
- トマト
- なす
- ニンジン
- ネギ
- 白菜
- ピーマン
- レタス
- 玉ねぎ
- ジャガイモ
- ほうれん草
食卓のスタメンばかり!身近な野菜がそろっていますね。
2026年度からはこのメンバーにブロッコリーが追加され、指定野菜は計15品目となります。
どうしてブロッコリーを指定野菜に追加するのか?
ブロッコリーを指定野菜に追加する理由は、ブロッコリーが国民の生活にとって欠かせない野菜となったためです。

ここ10年(~2022年)の統計によると、ブロッコリーの出荷量は30%ほどアップ。
ブロッコリーの出荷量は、これまでの指定野菜と比べても引けを取らない量となりました。
さらに、平均購入量も29%増と、わずか10年で食卓におけるブロッコリーの重要度がどんどん増していることがうかがえます。

たしかに、我が家でも食卓にブロッコリーが並ぶ機会が増えた気がします。

でも、そもそも指定野菜って選ばれると、ブロッコリーにとって何かよいことがあるのかな?
指定野菜になるメリットとは?
指定野菜になるメリットは価格・供給が安定することです。
指定野菜へ追加されると、農業協同組合(JA)などが国が定める需給ガイドラインに沿った供給計画を作成するようになります。
これは、もしブロッコリーの価格が大幅に下がり、利益が出にくい状況になっても、国からの補助金でブロッコリー農家さんたちへサポートがされるようになる、ということ。
それにより、ブロッコリー農家さんたちが安定した環境で農業を続けやすくなるため、ブロッコリーの供給が安定します。
さらに、ブロッコリー栽培を続けやすい環境が整うことで、より品質の高く新鮮なブロッコリーが多く市場に出回るようになります。
生産者にも消費者にも嬉しい変化・影響が得られるのが指定野菜になるメリットですね。
ちなみに、ブロッコリーはこれまで指定野菜に次いで重要性が高いとされる「特定野菜」でした。
特定野菜であっても補助金でのサポートはありましたが、指定野菜になることでより手厚いサポートが受けられるようになります。
指定野菜にはデメリットもある?
メリットが大きい指定野菜ですが、デメリットもあります。
まず、指定野菜は指定された産地でしか生産できず、また指定された市場にしか出荷できません。
指定外の産地・出荷先以外では指定野菜として補助が受けられません。
また、栽培に関しては、連作障害が起きやすくなり、畑の土の力が弱まったり、病気になりやすくなる、などの弊害も予想されます。
ただ、いずれにしても消費者に直接関わるデメリットはないので、安心してください。
指定野菜に追加されるブロッコリーの魅力を深掘り

ここからは、指定野菜への追加が決まり話題のブロッコリーの魅力を深掘りしていきます。
ブロッコリーの栄養価
ブロッコリーはたんぱく質と食物繊維、ビタミン、カリウム、カルシウムなどが豊富に含まれ、全体的に栄養価が高い野菜と言えます。
ここからは、ブロッコリーに含まれる豊富な栄養を、100gあたりの栄養価とその働きから簡単にまとめます。
※ブロッコリーは1株あたり200~300gほどなので、100gは1/3~1/2株ほどとなります。
また、以下の数値はいずれも日本食品標準成分表2020年版(八訂)「野菜類/ブロッコリー/花序/生」のものとります。
たんぱく質:100gあたり5.4g
ブロッコリー100gに含まれるたんぱく質は5.4gです。
100gあたり5.4gというのは身近な野菜の中ではトップクラスの豊富さ!
また、糖質が少なく、カロリーも低く、たんぱく質が多いブロッコリーはダイエットや身体作りをしている方にとって注目の野菜でもあります。
ただ、たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品に多く含まれる成分なので「主にブロッコリーからたんぱく質を摂る!」というのは効率的ではありません。
しかし、ブロッコリーは量を摂りやすい野菜でもあるので、補助的にたんぱく質を摂取していくのにはピッタリと言えますね。
食物繊維:100gあたり5.1g(このうち不溶性食物繊維は4.3g)
ブロッコリーは100gあたり食物繊維を5.1g、このうち不溶性食物繊維を4.3gも含みます。
この100gあたり5.1gというのは、食物繊維が豊富なイメージがあるゴボウ(100gあたり5.7g)に迫るほど!
また、ブロッコリーの食物繊維の大部分を占める不溶性食物繊維4.3gだけならキノコと並ぶほど豊富です。
不溶性食物繊維は便秘の予防・改善に効果的で、他にも大腸ガンの予防や満腹感の持続などの効果が期待できます。
ビタミン:緑黄色野菜で、ビタミン全体が多め
ブロッコリーにはビタミンがバランス良く含まれます。
ブロッコリー100gあたりのビタミンの数値はこちら↓。
栄養価 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
ビタミンA(βカロテン) | 900μg |
ビタミンB1 | 0.17mg |
ビタミンB2 | 0.23mg |
ビタミンB6 | 0.3mg |
葉酸 | 220μg |
ビタミンC | 140mg |
ビタミンE | 3.4mg |
ビタミンK | 210μg |
ブロッコリーは100gあたり900μgものβカロテンが含まれるため「緑黄色野菜」に分類されます。
※緑黄色野菜は100gあたり600μg以上のβカロテンが含まれる野菜となり、600μg未満の場合は淡色野菜となります。
また、ブロッコリーはビタミンB群やビタミンC、ビタミンE、ビタミンKのいずれも豊富です。
ビタミンB群は「代謝アップ」、ビタミンCは「免疫力アップ&美肌効果」、ビタミンEは「高い抗酸化作用」、ビタミンKは「カルシウムの骨への定着」といった働きがそれぞれあります。
特に、DNAの合成などに関わる「葉酸」が豊富で、妊娠中の女性は積極的に摂るべきと言えます。
カリウム:ナトリウムの排出と、むくみ解消
ブロッコリーは100gあたり460mgものカリウムを含みます。
カリウムには体内のナトリウム濃度の調整として「余分なナトリウムを排出」したり、利尿作用によって「むくみ解消」をしたりといった効果があります。
主に夏野菜に多く含まれる成分ですが、冬野菜のブロッコリーにも多く含まれます。
カルシウム:骨や歯のもととなる
ブロッコリーには100gあたり50mgものカルシウムが含まれます。
カルシウムと言えば骨や歯のもととなるイメージが強いですよね?
ブロッコリーには、カルシウムが骨や歯に定着するのをサポートするビタミンKも多く含まれるため、カルシウム摂取に効率的と言えます。
その他にも神経を安定させる、という効果があるためストレスを感じにくくなります。
ブロッコリーの栄養を逃がさない料理法とは?
栄養豊富なブロッコリーですが、水溶性の栄養価が多いため、普通に茹でると栄養が損なわれやすいというデメリットも!
そんなブロッコリーの栄養を損なわないためには「蒸し料理」がオススメ!
ブロッコリーを蒸して料理するメリットは、栄養が逃げないだけでなく、
- 水を沸騰させる時間がないので時短になる
- フライパン・スチーマー1つでOKなので洗い物が少ない
- 水っぽくならない
といったものもあります。
フライパンで蒸し焼きにする場合は沸騰してから2分ほどでできるので超簡単&時短ですよ。
手間なし!ブロッコリーの洗い方
ブロッコリーを料理する上で面倒な点といえば「洗うこと」ですよね。
花蕾(ツボミの部分)がみっちりつまっているので洗いづらいのに、露地栽培のブロッコリーは砂や虫などでけっこう汚れています。
ただ、水をかけてゴシゴシしても花蕾につまった汚れは落ちず、イライラしますよね。
そんなブロッコリーを手間なく、キレイに洗うオススメの方法は「ポリ袋」を使用する方法です。
- ポリ袋に小房に分けたブロッコリーを入れる
- 水をブロッコリーが半分ほど浸かるまで加える
- 袋の口を縛り、シャバシャバ振る
- 袋の口を少し緩め、汚れた水のみを流す
- 2~4を3回ほど、水に汚れが浮かなくなるまで繰り返す
この方法はわたしがいつも行っている方法ですが、一番簡単で汚れもよく落ちます。
ぜひブロッコリー洗いに悩んでいる方はお試しください。
【まとめ】指定野菜となるブロッコリーについて
ブロッコリーが指定野菜に追加されることで、これまで以上にブロッコリーが食べやすくなることが分かりましたね。
「価格と供給が安定する」というのは大きなメリットでしょう。
栄養が豊富なブロッコリーは健康にも美容にも、はたまたダイエットにもピッタリの野菜です。
これから先もブロッコリーを積極的に献立に取り入れ、美味しく健康を目指しましょう!